旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

白いヤスデ

 

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 日当たりのよいところでは、気の早いハコベがちらほら開花しはじめた。今まで、休みと言えば雪だったので、花びらが開いているところを見るのは今年初めてだ。ほんの少し、春の気分。

ところで、ダニブログと化してきた今日この頃。
ちょっとダニから離れてみようかと思います。
と言ってもヤッパリ腐葉土の生きものだったりして。。。。。

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今回は節がたくさんある生きもの。なおかつひとつの節に2対の脚を持つグループ。
ヤスデの仲間だ。
今回見つけたのは白いヤスデ。まだ1センチしかない。拡大してみると、扁平な体型でなんだかイボイボしており、そのイボイボの先に毛が生えている。ひっくり返すと丸い顔。背中から見ると胴体の第一背板が張り出して頭を隠している。

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これらの特徴を「日本産土壌動物」で調べると、

シロハダヤスデCryptodesmidaeに行き着いた。

成体の体節数は20.
頸板(*)が発達し、背面から頭部が見えない。
側庇は発達し、扁平な体型。
背板の隆起瘤には細毛がある。
(細毛を持たないものはハガヤスデ科Pyrgodesmidae)

*)頸板:頭のすぐ後の体節の背板。この体節には脚がないので、他の胴節と区別してこのように呼ぶようだ。

シロハダヤスデ科は「日本野生生物目録」によると、以下の2属6種類が日本産として記録されている。

マクラギヤスデNiponia 30mm前後 生時の色彩は黒褐色
マクラギヤスデNiponia nodulosa
シロハダヤスデKiusiunum 10~15mm 生時の色彩は白色
ケナガシロハダヤスデKiusiunum longisetum埼玉県南部から京都府までの東海道一帯と紀伊半島に分布。埼玉県レッドデータ2002では準絶滅危惧種に指定。
ノコバシロハダヤスデKiusiunum melancholicum
シロハダヤスデKiusiunum nodulosum
ヤクシロハダヤスデKiusiunum sekii
トサシロハダヤスデKiusiunum verrucosum


今回見つけたものは、体節がまだ17節しかないので、まだお子ちゃまのようだ。(ヤスデ類は脱皮の度に節が増えていく生き物なのです。)
色は白いので、シロハダヤスデ属の1種Kiusiunum sp.としておきます。