神戸のタイワンオドリハマキモドキ
お散歩コースに生えた腰くらいの高さのイヌビワ。
先日(7/10)、薄皮残した食痕があったので
裏返してみるとチッコイいもむしが隠れていた。
葉の裏に薄く糸を張り、表皮を残して裏側だけを器用に食べている。
主脈の脇に1カ所穴が空いている(矢印)。
あとで紹介する報文には、外敵に襲われた時に葉の反対側へ避難するための脱出口だそうだ。
脱出口付近。
ここでハマキモドキの仲間かも?と思うが、近所のイヌビワ喰いのハマキモドキはイヌビワハマキモドキくらいなんだけれど、本種は糸で綴った新芽を食べる習性があり、今回の食べ方とは違う。
でネットを検索すると「沖縄産蛾類幼虫の図説と食草」にある、
タイワンオドリハマキモドキが該当するように思えた。
が、図鑑の記録は屋久島以南とあり、分布が合わない。。。
さらに検索すると、「蛾類通信No.267」で村瀬ますみ氏による「和歌山市のタイワンオドリハマキモドキ」という報文があり、2010年に和歌山で記録された記事が見つかった。その報文には大阪と京都でも幼虫を確認したとあった。
じゃー神戸でもいる可能性はあるねってことで、
羽化を待つ。
繭。
フィルムケース型容器の蓋の凹みを利用して紡錘形の繭を作った。
で、今週になって羽化したのがこれ。
タイワンオドリハマキモドキ Brenthia formosensis
後翅が変な向きで羽化失敗のように見えるがワザとこんな向きにしている。
正面から
タイワンオドリハマキモドキ Brenthia formosensis
こんな体制で葉っぱを上をダンスするようにクルクル走り回っている。
だから「踊り」「葉巻」「もどき」(ハマキガに似た踊る蛾)
翅を拡げた状態。
タイワンオドリハマキモドキ Brenthia formosensis
図鑑には前翅外縁に黒紋が7個ある、とある。
外見で区別し難い種にコミヤマミズハマキモドキがいるが、
こちらの食草はイラクサ科のコミヤマミズ。
交尾器が明確に違うそうだ。
近所で見かける似た種にはアラカシなどにつくオドリハマキモドキがいるがこちらはこんなの。
オドリハマキモドキ Litobrenthia japonica 2004年8年29日
外縁の黒色紋の数が違う。こちらは3個。
標本は1個体しか持ってなかった。
よく見掛けるのだがハマキモドキガ科は胸の筋肉が強いのか判らないが、
私がやると展翅をよく失敗することが多い。。
ではまた