おしりが真っ白・・・・ギンパラカケメクロコバエ
ちょっと前に顔面が銀白色のニクバエを紹介しましたが、
今回はおしりが銀白色のコバエ。
日曜日のお散歩で見かけた体長約4mm弱のコバエ。
ギンパラカケメクロコバエ Milichiella spinthera と思う。
おしりがまぶしいほどの白さ!
無事採集できたのでここから標本写真。
側面
触角刺毛が羽毛状ではないのでショウジョウバエ科ではない。
いろいろ見てクロコバエ科 Milichiidae に落ち着いた。
カケメクロコバエ属 Milichiella の特徴は複眼の矢印部分が凹んでいること。
だから欠け目?
翅脈
前縁脈(C脈)が部分的に途切れている。
これを切目(切れ目、costal break)と言う。
画像の左の矢印部が肩切目(humeral break)、
右の矢印部をsc切目(subcostal break)と言う。
これはクロコバエ科の特徴というわけではない。
なんとなく書いてみた。
腹部腹面
衛生動物と言う雑誌の50号に「日本産カケメクロコバエ属(双翅目、クロコバエ科),岩佐光啓(1999)」と言う報文があり、ciniiで検索すると無料で読める。
その文献を見ると、腹板の図が書いてあるので撮ってみた。
第5腹板の形はギンパラに一番近いような。。。
斜め上面から、
死んでからも、銀ギラギンである。
上記の文献を見ると、腹部が銀色のものにもう1種、
ミヤマカケメクロコバエ Milichiella argyrogaster がいるそうだが、
日本の分布は北海道になっているので関係なさそう。
とか言ってたら、ギンパラカケメクロコバエの分布は琉球諸島とあるので、あれれ?
体長はミヤマで3mm、ギンパラで3.8~4mmとあるので、ギンパラの方が近いかな?
温暖化でしょうか。それとも台風かな?
ところで、クロコバエ科という和名は図鑑によっては変えられているのでチョットややこしい。
日本動物大百科9(1997)平凡社では「コガネバエ科」と表記されている。
新訂原色昆虫大図鑑3(2008)北隆館では「シロガネコバエ科」と書いてある。
クロコバエ科と共にこれらはすべて Milichiidae に当ててある。
最新のはシロガネコバエなのだけれど、、、
シロガネとかコガネとか、銀色なのは Milichiidae のごく一部の種類なので、
私的にはクロコバエ科が良いような気がする。
最初がクロコバエ科なので、むやみに変えるのもなんだかなぁ?
と思ったり。
ではまた