旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

キラキラコバチ・・・・・ルリマルハラコバチ

 一週間ぶりの休みは、どんよりとした寒い曇り空ではじまった。
出掛けようと玄関を開けた頃には、もう雨が振り出した。

ワタワタとあわただしく働いている平日のうちに、確実に春は進行しているようで、クサイチゴやムラサキケマンなどが、もう開花していた。

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 ふもとのソメイヨシノはまだ二分咲き程度だが、お散歩コースを登っていった先のヤマザクラはすでに満開状態。
雨にけむる桜もまた一興。 

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しかし、雨降りじゃあ花が咲いていても、虫がいやしねえ。

文句をたれつつ歩いていくと、咲きそろってきたコバノミツバツツジに黒い粒ハッケン。

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毎年、春先に見掛けるハチだ。
一見してコバチなどの寄生バチの仲間である。

この寄生バチと言うのが、完全に専門家の領域で、シロウトが分類するなど、メッソウもないというグループである。

だがほかに収穫もないことだし、コバチにしては大きいので(でも体長3.5mm)、ひょっとしたらなんの仲間かくらいは判るかも知れないので、お持ち帰りとした。

さて、この間買った「新訂 原色昆虫大図鑑 III (北隆館)」で調べてみた。

この図鑑、古い図版がそのままで、解説が中途半端に改訂されていたりする部分もあって、一部で悪評が高いのだが、
新しく発見された科が載っていたり、検索表はしっかり新しい科も含めたものになっていたりするので、なんのグループか知りたい程度の私にはとても役立つ図鑑に見えるのである。

検索表というのは、特徴となる区別点が簡潔に書いてあり、たとえば、
1.ナントカがある・・・・・・・ 2 にいく
1.ナントカはない・・・・・・・ 3 にいく
2.ホニャララがある・・・・・ 4 にいく
2.ホニャララはない・・・・・ 5 にいく
4.ウ~メラがヌ~メラである・・・・・ 6 にいく




てな感じで書いてあり、番号をたどっていくと自動的に該当する虫の名前(グループ名)に行き着くという便利な表である。

この図鑑のハチの検索表、小さな寄生蜂のあたりは細密イラスト入りで、なかなか判りやすい。
私などは、先にそっくりなイラストを見つけて、逆に特徴をたどって「ああそうか」とヒザをたたいたりしていたくらいだ。(ハイ、ズルしました。スイマセン。)


なんやかんやで、マルハラコバチ科Perilampidaeのようである。
この科の日本産は、今んとこルリマルハラコバチ1種だけだそうである。

ということでこれも

ルリマルハラコバチPerilampus japonicus

でよさそうである。
(消極的な分類ですが、シロウトなので・・・・・ 間違ってたら誰かつっこんで下さい。)

ネット上にはあまり画像のない種類だなぁ。
蛾やハバチの幼虫に寄生している寄生蜂や寄生バエの幼虫に寄生するハチだそうだ。・・・・ややこしいヤツ・・・・・
過寄生というらしい。いもむしにしたら敵の敵なので味方?

2個体採ってきたのだが、ちょうど♂♀だったので、いろんな角度で貼っておきます。
まずは♀背面

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で、♂背面

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♀側面

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触角が淡色で脚は黒い。

♂側面

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♀と比べると、触角は黒くて太め、脚は淡色。
胸が厚く、中胸背板が大きく前伸腹節より張りだすのが特徴のひとつだそうな。

最後はおしりの比較

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♀にはアタリマエだが産卵管の納まる溝がある。

こうして見ると、構造色の金属光沢がきれいな虫である。
もうちょっと大きかったら、マルハラコバチマニアなんてのが出てくるかもね。