旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

アカスジチュウレンジの産卵管

今週は標本箱から適当に、、、、、、

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アカスジチュウレンジ Arge nigrinodosa
バラの葉っぱを食害する、超普通種。今年6月採集。
ずぼらして、展翅は片翅のみ。

ミフシハバチ科Argidae ですから触角は3節ですね。

翅。

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ミフシハバチ科は、
ミフシハバチ亜科Arginae と
クワガタハバチ亜科Sterictiphorinae の
2亜科で構成されてますが、

「前翅径室外縁は脈で閉ざされ、先端に小室がある」のがミフシハバチ亜科で、
外縁に脈が無く小室がないのがクワガタハバチ亜科だそうだ。

ちなみに触角が3節でも、径室に横脈があるとヨフシハバチ科になります。
以前拙ブログで紹介しました。-->こちら

ミフシハバチ亜科は日本産はArge属1属のみですが、現在24種記載されているそうだ。
これは暫定的なもので、体全体が黒色のウンモンチュウレンジの仲間は未記録種がいるそうで、まだ種類は増えるらしい。

写真のアカスジチュウレンジの特徴は、
腹部は大半橙黄色。
大半の脚は黒色だが、少なくとも後脚基節または脛節に橙黄色部がある。
胸部に赤から橙黄色の部分がある。
事から、同属他種から区別できる。

アカスジチュウレンジの産卵管を引き出してみた。

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左が側面、右は後方から見た図。
なかなか複雑な形状である。
ルリチュウレンジなんかはこんなにギザギザはなかった気がする。

ハバチの産卵管は種によって特徴があり、詳しく分類するときには重要な区別点になるそうだ。

また、ハバチの産卵管は後方に飛び出すのではなく、
下方から前に向かって回転するように出てくる。

これを植物組織にサクサクと差し込んで産卵する。

見た目怖いですが、針状ではないので人を刺すことは出来ません。


おまけ、顔面

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触角の間の隆線はV字型。
種類によってはこの隆線はY字型になるものもいる。
(右枠内の点線部分にも隆線が延びる。)


ではまた。