旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

トゲトゲいもむし

ゴールデンウィーク中に見かけたいもむし。

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腹脚が7対あるので鱗翅目ではなく膜翅目のハバチ類。
トゲトゲがスゴイ。
以前から見かける幼虫だが正体が判らずにいた。
一度飼育してみたが年1化のようで休眠期が長く、羽化には至らなかった。
飼育して判ったが、画像の幼虫は亜終齢。
終齢になるとトゲがなくなりツルツルの青虫になる。
この状態になると何も食べなくなり死んでしまった。
気がつくのが遅かったが、おそらく終齢になると
土に潜って繭を作り休眠するのだと思う。
つまり終齢幼虫は休眠に特化したステージなのだろう。

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今回の幼虫の首筋を見ると、小悪魔に取り付かれているよう。
持ち帰るのをあきらめる。

今年はこのハバチについて進展があった。
「つねきばち」と言うハチ専門の雑誌がある。
時々まとめ買いするのだが、その24号に「吉田浩史:ハバチ科の一種 Periclista erythrogrammaの寄主植物の記録」と言う記事があり、大阪の長居公園のナラガシワから得られたトゲトゲいもむしを飼育して Periclista erythrogramma が羽化した。と言うもの。
また兵庫県のコナラでも同種と思われる幼虫を見ているがこちらは羽化確認が出来なかったため検討課題である。とのこと。

私がなんじゃろかいのう?と放置していた虫をちゃんと調べている方がいた!

その報文の参考文献に「Japanese Species of the Genus Periclista Klnow」というのがあった。これは日本昆虫分類学会の会誌「Japanese Journal of Systematic Entomology」 1999年発行の報文である。
内容は、日本産Periclista属5種の記載と検索である。

そこで今年の4月上旬に見かけたこのハバチ、

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コナラの新芽にまとわりついて産卵行動をしていた。
マルハバチ亜科までは判ったが、属の検索が見つからないので
これも放置、していたのだが、、、

つねきばちに載っている Periclista erythrogramma と似ている。

そこで、参考文献の記載と検索を読んでみると確かに
Periclista erythrogramma と一致した。

ということで、、、
お散歩コースで見られるトゲトゲいもむしはおそらく
Periclista erythrogramma だと思う。

さっきから学名しか書いてませんが、
Periclista erythrogramma は和名がないのでしょうがない。
個人的にはよそよそしくってイヤですが。

Periclista erythrogramma ♀背面

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Periclista erythrogramma ♀腹面

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Periclista erythrogramma ♀翅脈

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Periclista erythrogramma♀側面

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Periclista erythrogramma ♀顔面

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Periclista erythrogramma ♀産卵管

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ではまた