旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

メレンゲのお家

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ワーーーパチパチパチパチ


2連休が明けて近畿も梅雨明け宣言。
月曜の祭日も晴れていたから、この日から明けていたのだろう。

お散歩も陽射しを避けて、谷筋や木陰のコースを選ぶ。
体力的におじいのオッサンに日射病は命取り。

日陰を歩くと生えているのはシダ類が多くなるが、
その中でもベニシダの葉柄に白い泡の塊が付いていることがある。
こんなの

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泡の塊と言えば、アワフキムシの泡巣が思い浮かぶが、
アワフキムシのように石鹸水を泡立てたような
シャバシャバしたものではなく、
卵白を泡立てて作る「メレンゲ」のように、
きめが細かくしっかりした泡の巣である。

かなり以前から気になっており、
一度中の幼虫を見たことがあるが、
腹脚が無く、蛾の幼虫ではなかったので、
放置したのでした。

が、最近ネットを徘徊していて偶然解決。
蜂が好き」というサイトの「蜂類情報交換BBS」に
ハンマーの虫のページ2」でおなじみのハンマーさんが
同じシダの泡巣を投稿されており、
ヨフシハバチ科の1種として紹介されていた。

はへ~~、ハバチだったのか~

ヨフシハバチ科と言えば、我がお散歩コースでは一度だけ採ったことがある。

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キアシヨフシハバチ Runaria flavipes
昨年の5月4日

ヨフシハバチのヨフシとは、触角の節数のことであるが、
このRunaria属では先端の1節が退化しているため
見かけはミフシである。
長い3節目の先に小さな4節目があれば、Blasticotoma属である。

また、触角3節のハバチにはミフシハバチ科というのがあるが、
こちらとの区別には前翅径室の横脈の有無を見る。
前翅径室に横脈がある・・・・ヨフシハバチ科
前翅径室に横脈がない・・・・ミフシハバチ科

キアシヨフシハバチの翅

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Runaria属には兵庫県には2種記録があるが、
県南部の低山地にはキアシヨフシハバチしか
記録がないようだ。
またキアシヨフシハバチは基節を除く腿節から先が黄色く、
同属他種では基節から腿節にかけて黒いそうである。

ここらのは幼虫含めてキアシヨフシハバチで良しとしよう。

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キアシヨフシハバチ♀成虫腹面

ところで幼虫は極めて成長がゆるやかのようで、
飼育できる気がしない。
シダの葉っぱとかを食べるわけでもなく、
泡巣の中で葉柄に潜ったまま。
汁とかを吸っているのだろうか?

葉っぱごと一度持って帰ったが、
葉っぱが萎びて容器の底で幼虫がうねうね。。。。

結局、液浸標本になっていただいた。
遺影

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キアシヨフシハバチ(たぶん)幼虫

キアシヨフシハバチ(たぶん)幼虫腹端部

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腹端は全体に扁平で突起やら何やらがある。

キアシヨフシハバチ(たぶん)幼虫頭部

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個眼は1対
触角は、、、あれ?6節もある。。幼虫だから?

ではまた