幼虫探索の逆アプローチ
いつもは、親になると何になるのかが楽しみで、
いもむしを飼育したりしているのだが、
(いわば宝探し気分である。)別の方法もある。
先に親を採って来て、卵を産ませて飼育するやり方だ。
答が解っているので確実なやり方だか、
少々面白味に欠けるのが難点である。
以前にも、成り行きで採卵飼育したことがある。
スモモキリガとか、カシワオビキリガとか、、、
今回はこのひと。
ウスベニスジナミシャク Esakiopteryx volitans
3月28日撮影。
フユシャクの仲間でもないのに、割りと春早くに出現し、
虫の少ない時期に目を楽しませてくれる蛾だ。
しかし、かな~りの普通種なので、
巷の虫ブログではサブキャラの扱いである。
他の虫が撮れなかった時だけ仕方なく画像を貼られたり、
文中に種名だけが書かれたりと、もう、
通行人C的な扱いの蛾である。
しかし、試しに「ウスベニスジナミシャク、幼虫」
で検索しても、ネット上には幼虫画像が見当たらない。
日本産蛾類生態図鑑には流石に載っていた。
これがあまりシャクトリムシらしからぬ幼虫だったので、
「どれひとつ」と、
上記画像のお母さん蛾は連れ去られる事と相成った。
1週間たっても産卵しない。
それでは、と、ケースの中にアラカシの若葉を入れてみた。
これが良かったのかどうか判らないが、
10個ばかし産卵してくれた。
産卵当日は、薄黄色だったが、
翌日には鮮やかな赤色になった。
4月の6日に産卵を確認して、12日には孵化幼虫を認めた。
その後何回か脱皮して、19日の孵化1週後には、
こんなとげとげしい幼虫になった。
ウスベニスジナミシャク中齢幼虫
その2日後の21日には成熟幼虫となった。
ウスベニスジナミシャク終齢幼虫
で、5月1日には早々と蛹化した。
これから来年3月まで、長~~~い休眠期間の始まりである。