旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

笠かむり

今回のお散歩の必須アイテムは、100円均一で購入した洗濯ネット。

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これに落ち葉や腐葉土を放り込んでポリ袋の中でガッサガッサと揺すって小さな生き物(土もだが、)を袋に集める。洗濯ネットに残った大きな枯葉などはその場に戻す。
で、ポリ袋にたまったものを持って帰って、虫めがねで観察するのである。

ジィィ~ッ・・・・(観察してます。^^;)

今日の目的はササラダニ。人知れず落ち葉を食べて土に戻す「ありがたい」ダニである。
ひとくちにササラダニと言っても、将来的には日本産800種を超えるだろうという大きなグループである。

前回の流れもあって、今回は脱皮した殻を背中にかぶって生活しているササラダニをご紹介。

ウズタカダニの1種Liodes sp.

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ダニの中では大型の方で、1mmチョイある大きさだ。
ウズタカダニの仲間は、背中に幼虫、第1若虫、第2若虫、第3若虫の脱皮殻をつけたまま成長し、親になると4枚の笠をかぶった状態になる。(青矢印)
ササラダニ類には偽気門器官(ぎきもんきかん、胴感盃(どうかんはい)とも言う)が前体部背面にある。(黄矢印)

また、生殖口と肛門には観音開きの扉がついていて、それぞれ「性扉(せいひ),矢印①」「肛扉(こうひ)矢印②」という。ほとんどのササラダニ類は全体が硬い殻でできており、卵を産むときや、うんちをするときは、これらの扉が開いて用を足すのである。

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ウズタカダニは比較的乾燥に強く、樹上で見つかることも多い。
過去にはお寺のわらぶき屋根で大発生して、毎日おちょこ1杯分降ってきた事例もあるようだ。
そういえば、以前豊中市の緑地公園で、高床式倉庫の床の裏面にビッシリついているのを見たことがある。


お散歩コースのウズタカダニについて、細かい種まで調べたかったがよくわからなかった。
日本産ササラダ二類目録(日本ダニ学会誌,1993)によると、日本産ウズタカダニ科Liodidaeは、

エゾウズタカダニLiodes kornhuberi
北海道、神戸
シワウズタカダニLiodes zimmermanni
式根島
ヒラタウズタカダニPlatyliodes japonicus
東京、神奈川、山梨
ヒメヒラタウズタカダニPlatyliodes macroprionus
山梨、神奈川、長野

の4種が確認されているそうだ。
その中でも、ヒラタウズタカダニ類は背中が平たいので違う。
お散歩コースのは、Liodes属の1種ではあるようだ。

もしわかる人いたら、教えてチョ。