お散歩コース初顔のヘンな生き物
正月休みのお散歩コース。
ちょっと脇にそれて林の中にあるボロボロの朽ち木をひっくり返してみた。
下には足の長い生き物がちぢこまっていた。
オオアカザトウムシEpedanellus tuberculatusだ。
この足の長いクモのようなザトウムシの仲間は、ちょっと山奥に行けばよく見かけるのだが、私の歩く海に近い低山地で見るのは初めてだ。以前紹介したカニムシ目に近い仲間だが、触肢がハサミになっていないのでザトウムシ目という別のグループになる。日本産が約80種程の小さなグループだ。
写真のオオアカザトウムシは近畿以西の本州、四国、九州、屋久島、種子島に分布し、個体数は少なく分布も局所的だそうである。
いじっていると頭の脇から白色の液体を出した。ツンとした薬品臭がする。ゲボゲボ、くさいぞ。。。。
持ち帰って拡大写真を撮り、日本産土壌動物(東海大学出版会編)でザトウムシのところを調べていくと、
触肢の爪が長い
オオアカザトウムシ♂成体
触肢に棘があり、付節の爪が大きく鉤状・・・・アカザトウムシ亜目
触肢付節の爪は小さいか、消失・・・・ヒゲザトウムシ亜目またはダニザトウムシ亜目
触肢付節の爪は小さいか、消失・・・・ヒゲザトウムシ亜目またはダニザトウムシ亜目
第3・4歩脚の爪は2本
オオアカザトウムシ♂第3歩脚先端
第1歩脚腿節に櫛状の棘列がない
触肢腿節下面に鋸歯状の棘列がない
第4歩脚腿節は体長の0.7倍以上
第4歩脚基節は極端に太くない
盾甲は中央部で左右にふくらまない
オオアカザトウムシ♂背面
クモ目との違いは、頭胸部と腹部のあいだにくびれがないこと。
また、カニムシ目では触肢がハサミ状になることから区別できる(ザトウムシ目では触肢はハサミ状にならない)。
また、カニムシ目では触肢がハサミ状になることから区別できる(ザトウムシ目では触肢はハサミ状にならない)。
触肢腿節下面の棘は長くないが、数個の棘が並ぶ
オオアカザトウムシ♂側面
体長は4.5~7.0mm
などの特徴からオオアカザトウムシに間違いないようです。
ちなみにザトウムシの親子の区別は生殖板の有無でわかるそうです。
オオアカザトウムシ♂腹面
ザトウムシ目の成体・幼体の区別は、腹面中央の生殖板が、腹板から分離しているかどうかでわかる。
生殖板の中には、♂ではサヤ状の陰茎、♀では柔らかいチューブ状の産卵管がある。
生殖板の中には、♂ではサヤ状の陰茎、♀では柔らかいチューブ状の産卵管がある。