旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

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カニムシの分類

お散歩コースの足下のコケをめくってみると、3mm程の小さな生き物。ハサミ(触肢)を振りかざしているが、いかんせんチッコイので怖くも何ともない。しっぽのないサソリのような形をしている。

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アカツノカニムシPararoncus japonicusだ。
カニムシの仲間は大きく分けて、ツチカニムシ上科Chthonioideaとコケカニムシ上科Neobisioideaに分けられる。この2上科は歩脚の節の数で分けられるそうだ。

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アカツノカニムシ腹面
特徴的なハサミ(触肢)をのぞき、歩くための脚を歩脚という。ツチカニムシ上科ではⅠ、Ⅱ歩脚が6節。コケカニムシ上科(写真)では全て7節からなる。

コケカニムシ上科は日本の土壌中ではコケカニムシ科が普通に見られるそうだ。コケカニムシ科はさらに鋏顎の兜状体の有無や、

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アカツノカニムシ頭胸部先端
触肢の内側に小さなハサミがあり、鋏顎(きょうがく)という。ハサミの動く方を鋏顎動指と言い、その先端に鋏顎動指紡績腺がある。紡績腺が突出し樹枝状に発達するものが有り、それを兜状体と呼ぶ。(写真にはない)

単眼の数

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アカツノカニムシ頭胸部
印の部分に単眼があるように見える。
単眼が1対ならアカツノカニムシ。2対あれば他のコケカニムシ類のどれかになる。
 

触肢の腿節の形や感覚毛の数で分類される。

写真のカニムシは、兜状体がなく、単眼も1対しかないように見えるので、アカツノカニムシに決定していいようだ。本種は、本州~九州に普通に分布し、秋から冬の寒い時期のみ見られる種類だそうである。

※参考:日本産土壌動物(1999)