旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

ニジオビベニアツバの幼虫

この日曜日、初冬と言っていい季節。
なのに、珍しくいもむしを見つけた。

しゃくとりチックに進むスマートないもむし。

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ニジオビベニアツバ Homodes vivida 幼虫

幼虫は先端が扁平のへら状の長い刺毛を持つ。

横から

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第3腹節にあるはずの第1腹脚は退化消失している。
第2腹脚もやや小さいため、歩き方も しゃくとりチックになる。

この属の幼虫はツムギアリに擬態して
寄主植物上にすむアリの攻撃を受けない
特異な生活史を持つそうだ。

図鑑によれば、イヌビワ(クワ科)の果実を好み、
与えればリンゴ、ナシ(バラ科)の果実も食す。とのこと。
同属の別種はランブータン、マンゴー、竜眼などの
果実や花を摂食する幼虫も知られる。

分布に関する記述は
日本産蛾類大図鑑(講談社、1982)では、
「本土南西部に分布。高知県、福岡県英彦山、宮崎県日之影町に少数の記録。」と結構記録が少ない表現であるが、

日本産蛾類標準図鑑II(学研、2011)では、
「本州南西部、四国、九州、対馬、沖縄島。国外ではインド。」
とやや拡がりのある表現になっている。

当地で初めて見たのは成虫で、

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2005年の6月のこと。
鉛色光沢のある鱗粉がキラキラ光る美麗種。
その後、2008年と2009年にも見ている。

こんな寒い時期に幼虫がいるということは
ちゃんとした越冬習性を持たない種類なのかもしれない。

幼虫も何年か前にスイーピングしていたら
入ってきたのを見ているが、
手荒に扱うと特徴のある毛が折れてしまうようで、
4・5本しか残ってなかった。

今回は完品の幼虫を見つけたのでご紹介。

おまけ
ニジオビベニアツバ Homodes vivida 幼虫のおしり

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尾脚は長い。

ではまた