旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

血は吸わずに舐める・・・・・・・・・・ブユ

阪神淡路のせいで自宅が全壊扱いになった身から見ても、
この度の震災は想像を絶するものがある。
とりあえず元気な人は気が張って働きすぎてしまうので、
休めそうなときは休みましょう。先は長いです。
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らしくない。以下、通常営業。

日曜日はいつものお散歩コース。
砂防堰堤の下の数少ない水場。
早春に出現するカワゲラなぞを見ながら春を感じていると、
足下にまとわりつくコバエに気がついた。

老眼の進んだ目では何だかサッパリなので、採集。

帰って拡大してみるとブユだった。

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オオイタツメトゲブユ Simulium oitanum

ちょっと以前の図鑑だとアオキツメトゲブユSimulium aokii
と書いてある種と同一のものである。
が、aokiiはoitanumのシノニム(同物異名;同じ種類に別の学名を付けて記載されたもの。普通は後に記載されたものが消える。)と判って無効な学名となった。
ただ、和名はアオキツメトゲブユとして書かれている本も多い。
ここでは、最新の図鑑の「新訂 原色昆虫大圖鑑 第3巻」で
オオイタツメトゲブユと書かれているので、それに習う。


一言にブユと言ってもその種類は多い。
ヒト吸血性の無いものまで含めると、日本産は40種弱いる。

写真のは複眼が離れているので♀である。
♂は複眼が大きく、くっついている。
(合眼的と言う。離れているのは離眼的。)
ブユもカと一緒で♀だけが吸血する。
それで私にまとわりついていた訳だ。

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♀の生殖器板(第8腹節後縁の突起)が図のような形をしているのが、
ツメトゲブユの仲間の特徴だとか。

オオイタツメトゲブユに似ているものに、
キアシツメトゲブユがいるが、
前脚腿節は全体に黄色いそうで、
オオイタでは腿節先端は黒いとのこと。

 

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双翅目では、多くの種類で大顎が退化的だが、
ブユやアブの仲間はちゃんとある。
大顎や、上唇で、皮膚を傷つけて、、、、、

 

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唇弁で、ペロペロ舐めて血を飲むそうだ。

「カ」みたいに、刺したりはしない。

結局、かゆいんですけどね。

ではまた。