旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

日本最小のバッタ

2週間ぶりの裏山散歩である。ひやっほ-い!

谷筋の湿った草地では、キンヒバリが涼しげな声で鳴いている。

ふもとの水溜まりでは、ムギワラトンボ(オオシオカラトンボ?)が続々と羽化をはじめて、翅かわかし中。


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その横には、5ミリほどの黒いムシが,,,,,
よく見かけるヒシバッタ類かと思ったが、ちょっと違った。

 

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ノミバッタXya japonica

 

よくいるムシだが、お散歩コースで見るのは、なぜか初めてである。
おケラをデフォルメしたような形である。
この間発行されたバッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑によると、ノミバッタは直翅目Orthoptera、バッタ亜目Caelifera、ノミバッタ科Tridactylidaeにされている。
でもこのムシ、バッタの仲間かコオロギの仲間かで、いまだに議論されており、「正確な所属は今なお不明。」だそうだ。

ちなみにケラはコオロギの仲間だ。

と言うことで、ノミバッタはバッタ界では日本最小になる。
(コオロギ界ではアリツカコオロギか?)

現在ノミバッタ科には日本産が4種類。
ノミバッタXya japonica 北海道~九州、ロシア沿海州朝鮮半島
マダラノミバッタXya riparia 豊中市、神戸市、南西諸島、台湾、東南アジア
ニトベノミバッタXya nitobei 南西諸島、台湾
ツノジロノミバッタXya apicicornis 八重山列島、台湾、インド

本州に分布する2種のうち、マダラノミバッタは白斑が多く、後翅が白いことでノミバッタと区別できる。(しかし、明らかに移入種っぽい分布だなぁ。)

図鑑によるとノミバッタは、昆虫界のモグラであるところのケラに似ているだけあって、土を掘るのがうまく、土を掻き取ってドーム状の巣まで造るそうだ。

で、おどろかすとドームを突き破ってとびだすそうである。
誰が調べたんだか、ディープな情報が書いてある図鑑である。
野外で実際に観察可能なのだろうか?
ちょっと見てみたい気もする。

さて、拡大してみると、後脚がおもしろい。
ノミのようにピンピン跳ねるだけあって、
腿節(たいせつ;太もも)が不釣り合いなほど太い。

で、先っちょが二股。

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図鑑では付節は1節とあったが、
チッコイのがそうか。。。
(黄色矢印のところにあるんだけど、小さすぎて写ってないやん!・・・・それくらい小さいと言うことで、、、)

すると二股のは端距と呼ばれる脛節(けいせつ;すね)のトゲらしい。

脛節には、可動棘(かどうきょく)と呼ばれるトゲが並んでいる。
ノミバッタでは、これが扁平になっており、広げるとまるでオールのようだ。

図鑑では、水面から跳ねることができると書いてあるが、この構造を見ると納得である。

これはケラにはできないノミバッタの特技だね。