旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

信心深い訳ではないけれど・・・・ジュズダニ

土の中の生き物。
落ち葉を食べて土に戻す生き物。
エライエライ。
これはその中の一員。
ヨロイジュズダニ属Tectodamaeusの1種。体長1mm弱ってところ。

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う~ん、全体にピントがまわりません。
ちょっと斜めからのショット。

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ヤッパリいまいち、、、、
ジュズダニはササラダニの仲間。
ササラダニの仲間はカッコイイのがたくさんいるのだけれど、小さいクセに妙に立体的なので、写真を撮るのが難しい。

ジュズダニは脚の節の先端がそれぞれふくらみ、数珠のように見えることから、その名前がある。特に仏教徒であるなどと言うことは、もちろん無いはず。ダニだし、、、、

おしりがまん丸でツルンとしている。
足は長くてイカツイが、食べ物は落ち葉なので、あわてる必要もなく動きは緩慢である。そう言えば、素早く走り回るササラダニは見たことがない。

ジュズダニ科Damaeidaeは、「日本産土壌動物-分類のための図解検索(東海大学出版会、1999)」では、以下の特徴で4属に分けられており、「日本ダニ学会誌 第2巻 増刊第1号(1993) 日本産ササラダニ類目録」で以下の20種弱が記録されている。

ツリバリジュズダニ属Acanthobelba
胴感毛の先端が紡錘形にふくらむ
ツリバリジュズダニAcanthobelba tortuosa横須賀、京都市

マルジュズダニ属Belba
胴感毛の先端はふくらまない
後胴体部前縁に棘はない
第4脚膝節の毛は3本
エゾヒメジュズダニBelba barbata北海道
エボシジュズダニBelba corynopus東京、神奈川、山梨
ササカワジュズダニBelba sasakawai滋賀
コブジュズダニBelba verrucosa japonica千葉、東京、神奈川、山梨

トゲジュズダニ属Epidamaeus
胴感毛の先端はふくらまない
後胴体部前縁に棘がある
第4脚膝節の毛は3本
カドジュズダニEpidamaeus angulatus北海道
コンボウジュズダニEpidamaeus bacillum北海道
チヂレジュズダニEpidamaeus coreanus山梨
マガリジュズダニEpidamaeus flexus北海道
コノハジュズダニEpidamaeus folium北海道
カナボウジュズダニEpidamaeus fortisensillus北海道
ワタゲジュズダニEpidamaeus fragilis千葉、長野、京都、滋賀、岡山、高知、神奈川
オニジュズダニEpidamaeus grandjeani北海道、式根島、石川
カワリジュズダニEpidamaeus variabilis北海道
オオイボジュズダニEpidamaeus verrucatus京都・滋賀・高知

ヨロイジュズダニ属Tectodamaeus
胴感毛の先端はふくらまない
後胴体部前縁に棘がある、またはない
第4脚膝節の毛は2本
ヨロイジュズダニTectodamaeus armatus千葉、東京、神奈川、山梨
セスジジュズダニTectodamaeus striatus千葉、神奈川、京都・高知

リストの分布を見てると、北から順番に調べていってるようで、関西までまとまるのはかなり先って感じ?

写真の種は、胴感毛の先端はふくらず、後胴体部前縁に棘があり、第4脚膝節の毛は2本だったので、ヨロイジュズダニ属Tectodamaeusのようだ。(特徴を写真で紹介したかったのだけれど、小さすぎてムリでした。)
ダニでも、なんのグループに属するかまでなら、40倍程度の実体顕微鏡でなんとか調べることが可能だ。本当に調べるなら、3枚におろして(注)プレパラート標本にし、光学顕微鏡の観察が必須ですが。。。
(注;ササラダニは硬くて色が濃いので、背中側と腹面、脚などをバラバラにしてプレパラート標本を作るそうです。研究者はこれを「3枚におろす」と言ってるそうだ。)


目録発表以後の日本ダニ学会誌に以下の2種が追加発表されているが、英語なので詳しく読んでいない。
アイヌジュズダニDamaeus ainu北海道
クシロジュズダニDyobelba kushiroensis北海道

ジュズダニ科というのは、一時期ツノジュズダニ科と呼ばれていたようだ。
「日本ダニ類図鑑(全国農村教育協会、1980)」ではツノジュズダニ科になっている。
「ダニ学の進歩(図鑑の北隆館、1977)」ではツノジュズダニ科として、ヒメツノジュズダニ属の1種Hypodamaeus sp.が紹介されている。

それ以前の「ダニ類 -その分類・生態・防除-(東京大学出版会、1965)」ではジュズダニ科になっていた。

和名ってテキトウだね。