飼育途中のいもむし
これといったネタがないので、飼育中のいもむしを貼る。
4月16日にウバメガシの葉裏に卵を見つけた。
直径は1mm以上ある蛾にしては大型の卵。
卵殻は薄く、毛が透けて見える。
孵化寸前である。
翌日、
孵化した。
卵殻は付着部以外はほぼ完食。
翌日見ると葉っぱの表側を舐めるように食痕を残していた。
3日後、ほぼ倍の体長になる。
21日には脱皮して2齢に。
24日には3齢になるものが見られる。
写っている3個体のうち、下の1個体はまだ脱皮寸前の2齢幼虫。
たぶんセダカシャチホコじゃないかなぁ~?
と思う。
2016.5.5追記
次記事で書きましたが、正解はプライヤアオシャチホコでした。
続く。
ではまた。
ナゾ繭
BABAさんとこのブログを見て、
そういや似たのを見たなぁ、と画像フォルダを発掘。
あった。
泥か糞を固めたような繭は3mmほど。
今年の3月にビワの葉裏にくっついていたもの。
こちらのも既に羽化済み。
蛾の繭のようにも見えるが、触角や翅、脚のパーツがバラけている。
こういうのを「裸踊」と言うが、鱗翅目ではごくごく原始的な小蛾類でしか見られない特徴である。
分解して幼虫の皮を捜してみた。
で、見つかったが、胴体部分は脚もなくペラペラの皮のみ。
ということで、鱗翅目では無さそう。
固い部分は頭部だけだった。
これだけだと、確定できないけど、
たぶん、キノコバエ科じゃないかと思う。
ビワの生えていたところは谷筋で湿気は多いし、
ビワの花ガラが残っていたので
それを食べてたのかなァ?
ま、今後の宿題です。
ではまた。
ゴミくずみたいな越冬巣・・・・・・マルギンバネスガ
お散歩行ってなくってネタも無いしドウシヨウ、と思っていたら
飼育中の蛾が羽化してきた。
以下経緯
今年の2月下旬、虫喰い痕のあるウバメガシの葉っぱ。
昨年の古い食痕か、とスルーしかけて部分的に食痕が新しいのを確認。
裏返すと、
葉脈から枝にかけて小さな巣が張られていた。
寒くなるまである程度成長し、年が明けて少し暖かい日は活動を再開して新しい食痕を残したのだろう。
お持ち帰りして3月中旬、
12mm程度に成長した。
頭部が丸っこい幼虫。
4月5日に見ると繭を作っていた。
蛹は薄緑色。羽化するまでこの色だった。
で、15日に羽化。
容器の蓋が傷だらけでチョイ見苦しい。
冷蔵庫で少し冷やしてそっと出して撮り直し
マルギンバネスガ Thecobathra anas
純白の翅に細かなさざ波模様。
後脚を爪先立ちにして頭を伏せており
まるで土下座をしているよう。
本種はこれが通常姿勢。
図鑑を見ると、クリ、クヌギ、コナラ、アラカシ、ツブラジイなどブナ科が食樹。まあ、ウバメガシも食うだろう。
近縁にトガリギンバネスガ Thecobathra eta と
ツヤギンバネスガ Niphonympha vera がいるが
マルギンバネスガと比べると前翅前縁が直線的で外縁はわずかにくぼむ。
あと、トガリギンバネスガは平地では見られないそうだ。
おまけ
終齢幼虫の脱皮殻
ではまた
あの蛾に名前がついた!
以前紹介したシダを食べる名無しの蛾(記事はこちら->「目立つ待避所」)、
ついに記載された。
シロシダマイコガ Pachyrhabda aedificatrix
書かれているのは「The Insects of Japan 日本の昆虫」
シリーズの第7巻「ニセマイコガ科」
労作である。
日本の昆虫シリーズは最初の3冊が2006年に出版された後は十年近く続巻が出ず、もう出ないものと思っていたが、去年からパタパタと続編が出るようになった。
喜ばしい。
で最新巻がニセマイコガ科。
それによると、
従来は Calicotis属の1種とされていたがこの本で Pachyrhabda属に移され、本属は本種を含めて5種新たに新種記載されている。
日本産蛾類標準図鑑に全く紹介されていないグループだけに図鑑以後の最重要文献と言えよう。
同属に退避シェルターを作る種類がもう1種記載されている。
が、こちらは分布が九州以南で食草はホシダ(ヒメシダ科)なので
写真の神戸の種はシロシダマイコガで良いだろう。
検索表を見ると翅の模様でも区別可能である。
詳しくは本を見てね。
あと、過去記事を書いたときに含まれていた Calicotis属もかなり追加記載されており、日本産は9種(うち新種が7種)となっている。
これらはすべて各種シダ類の胞子喰いだそうだ。
ではまた