旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

翅を隠していないハネカクシ

歩いているだけではロクに虫を見ないので、
昨年末に刈って積んでおいた笹の束を
シートの上でしばいて落ちたものを持ち帰ってみた。

で、いたのがこんなの。

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カッコイイ

全体

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アバタコバネハネカクシ属の1種 Nazeris sp.

体長は5mm。
せめて2㎝あったら人気の昆虫になったのに???

ハネカクシとは小さな前翅の下に大きな後翅を
器用に折り畳んで隠すことから付いた名前だと思うが、
画像のハネカクシの前翅はすごく小さい。

ピンセットでつついてみると、
左右の前翅が癒着しており離れない。

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持ち上げて覗いてみると、あるはずの畳まれた後翅がない。
どうやら退化している種類のようだ。

たぶん後翅で羽ばたくための筋肉も退化しているのだろう、
体型もなで肩である。

翅がないから飛べないのは当然であって、
移動するのもままならないから、
地域ごとに種分化してそうな気がする。

保育社の甲虫図鑑にはこの属は2種しか載っていない。

が、昨年発表された日本産ハネカクシ科目録によると、
アバタコバネハネカクシ属は日本産25種もあった。
本州産だけで14種!である。

うん、これは素人が手を出してはイケナイ種類である。

他にも後翅が退化したハネカクシがいたが、
保育社の甲虫図鑑ではかすりもしない種類だったので、
上司に押しつけておいた。(普通種だろうけど、、、)
そのうち上司のブログに書かれるかも。

おまけ
アバタコバネハネカクシ属の1種の
交尾器側面

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交尾器背面

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交尾器腹面

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通りすがりの親切な方が同定してくれたりして?

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2020年12月12日追記

本当に親切な方が現れて、論文をあたってくださいました。

交尾器は種アバタコバネハネカクシ Nazeris wollastoni

に最も近いそうです。

通りすがり様、ありがとうございました。

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他力本願なブログです。

ではまた