旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

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タケノホソクロバの学名

今週は届いた図鑑を眺める日々。
図鑑はこれ。

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日本産蛾類標準図鑑 第3巻
3巻は、おもに原始的な種と小蛾類の一部を扱う。

パラパラと眺めて気がついた事。
小蛾類は研究が進んでない事もあるのか
学名の変更や、和名を新たにつけたもの、とか
今までの図鑑に載っていない種類が目白押し。

そんな中、超普通種の学名も変わってました。

タケノホソクロバ Fuscartona martini Efetov, 1997

これまでは Artona属だったものです。

なんでも Artona属から前翅および腹部が単色で後翅に透明部分のある種群を、
Fuscartona属として独立させたそうです。[ Efetov & Tarmann (2012)]

このタケノホソクロバ、もっと古い図鑑だと
種小名に funeralisが使われていた。
[ 例;原色日本蛾類図鑑(保育社)]
これは、ヒメクロバFuscartona funeralis
と長い間 混同されていたためで、元々のタイプ標本が
ヒメクロバだったため、1997年にタケノホソクロバを
記載した、と言う事。
そのときはまだ、Artona属に含まれていたのが、
2012年に Fuscartona属を作って移動した。
と言う流れになります。

学名もいろいろ変遷するという、、、、

おまけ
お散歩コースで見た、産卵中のタケノホソクロバ

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タケノホソクロバ中齢幼虫

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弱齢幼虫の間は、葉っぱを食べるとき薄皮を残すので
写真の下の葉の如く、枯れたように見えます。

ではまた