イトダニ類の便乗生活
いつまでも梅雨が明けない。
明けませんどころか、せっかくの日曜日なのに、朝から大雨洪水警報がでていた。
ただ、昼頃には晴れ間も見えてきたので、少し散歩に行って来た。
行っては見たものの、まだあたりは濡れており、虫たちは隠れて出てきていない。
仕方がないので、枯れ枝に隠れていた、カミキリムシなどをつまんで帰った。
さて、昆虫には、よくダニが付いている事がある。
よく見かけるのが、タカラダニの幼虫や若虫だ。
オレンジ~赤色をした丸い粒を体に付けた昆虫やクモを見たことのある方は多いと思う。
これは、ほぼ100%タカラダニ類だ。
タカラダニ類は、口器の針を刺して体液を吸いながらくっついている。
だから、タカラダニ類の子供は、寄生生活者だ。
カミキリムシにもタカラダニはよく見かけるが、今回くっついていたのは、別のダニ。
イトダニの一種Uropodidae gen.sp.
平べったい円盤型のダニだ。
宙に浮いているように見える。
拡大すると、おしりから糸が出ていた。
細い糸だが、何せチイサナ体なのでダニを支えて直立している。
イトダニ類は、第2若虫の時期に、こうして昆虫にくっついて運任せの旅をするそうだ。
おしりでくっついているだけなので、タカラダニと違って実害はない。
ナイケド、ウザソウ、、、、
実害がなく、移動手段として付着するだけの時、これを「便乗」と言うそうだ。
おまけ
光学顕微鏡の拡大画像。
(1目盛りは0.01mm)
糸は、肛門全体を覆って伸びているよう。
肛門からでているのか、肛門の脇に分泌腺があるのか?
全体図
(1目盛りは0.025mm、体長は約0.6mmくらい)
ダニなので脚は4対。
第1脚の間にある小さいのは「触肢(しょくし)」
昆虫で言う触角みたいなもの。
分類は成体でおこなうようなので、詳しい種類は判らなかった。
成体は、こんな風にくっついたりせず、自由生活をして、小昆虫を捕食するそうだ。
行き先不明の旅に出るダニ。
チャレンジャーである。
それでは。