旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

アフリカのお面?

この日曜日は神戸でもフユシャクの先陣を切ってクロスジフユエダシャクがやっと飛び始めた。
他には何かいないかなぁ?とウロウロすることしばし、
ツバキの葉裏に1mmほどの黒い粒がついているのを見つけた。

ツバキコナジラミAleurotrachelus camelliae の蛹殻だ。

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コナジラミというのはアブラムシやカイガラムシに近い仲間で不完全変態なので、蛹というのは厳密にはおかしいと思うのだが、終齢幼虫になると固着生活になるので慣例的にそう呼ぶようだ。春になると1mmほどの白い粉にまみれたような羽虫がかえってくる。

拡大してみると、表面は透明なニカワ状物で薄く覆われている。
あと3箇所からワックス質(ロウソクのロウみたいなの)を分泌している。これ、前方の1対は胸部気管孔と言うところから出しているそうだ。残りのひとつは尾端から出している。

植物の汁を吸う昆虫は、その蛋白が少なく糖分が多い偏った食性のため、余った糖分は排出してしまう。
ウンカやヨコバイはそのままおしっこにして出すだけだが、アブラムシなどは、角状管から蜜を出してアリに守ってもらったりするし、カイガラムシはワックスに変換して体を守る防壁にしている。
そうそうアワフキムシは泡ブクを作ってすみかにしているし、ハゴロモ類の幼虫はワックスの綿を分泌して隠れている。

コナジラミのワックスはなんかの役にたっているのかしらん?



ツバキコナジラミ成虫の記事はコチラ→

insectmoth.hatenablog.com