ご近所のニクバエ
10月に入ったがまだツクツクボウシの声が聴こえる日曜日。
特に採集しようと思う虫がいないので、ニクバエの仲間を採ってきた。
やはり普通種のナミニクバエとかセンチニクバエを見ておこう、
と思ってこの間から少しずつ採ってたのである。
ただ、日本産ニクバエ科は約100種類。
外見はお互い似通っている。
なのでニクバエの分類には♂の交尾器の観察が欠かせない。
本来なら、ファウナヤポニカとか中国蝿類などの
レアかつ超お高い文献が必要になる。
最近、「一寸のハエにも五分の大和魂・改」と言う掲示板の
ワード検索でニクバエを検索すると
ずいぶんたくさんのニクバエ類の交尾器画像がアップされており、
それを専門家の方々が同定されている。
(↑の掲示板は「昆虫調査事務所ヘキサポーダリサーチ」内にあります。)
玉石混合のネットの中、
このサイトは判らないものはどの程度判ってないかまで
教えて戴ける貴重なサイトなのである。
で、9月22日に採った分。
乾燥する前に、交尾器は柄付き針で引き出しておくと観察しやすくて吉。
背面
背中に奇数の黒の縦縞があるのがニクバエの簡単な特徴。
♂交尾器
掲示板の画像と見比べると
ツシマニクバエ Sarcophaga tsushimaeのようだ。
あれ?こんなのが近所にいるんだ。ふーん。
名前にツシマがあるが、北海道~九州、中国までいる種だそうだ。
こちらは10月4日に採った分。
外見は上のとそっくり。
♂交尾器
交尾器の形が上と全然違う。
掲示板の画像とにらめっこ。
ホリニクバエ Sarcophaga horiiのようだ。
ホリニクバエにはジョセフニクバエという交尾器も似ている種がいるそうで、ventraliaの突起が,三角ならばジョセフニクバエ,T字状ならホリニクバエ。とか書いてある。
ve・ve・ventralia???
ハエの交尾器の部分名称は蛾とはまた違う。
掲示板のやりとりを見ているとどうやら下写真の矢印部のとこらしい。
角度を変えて見ると確かにT字型をしている。
なんだか近所にもいろいろいますなぁ。
およ?ナミニクバエは?
センチニクバエとか図鑑に良くあるのがいない。。。
今までニクバエを見てもセンチニクバエかな?とか
思っていたけど認識を変えないといけないようだ。
ちゃんと調べないといけませんな。
ではまた