旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

水中の平和主義者?ヒメドロムシ

水中の枯葉にいた甲虫類の続きである。
4種類いたうちの、残りの3種類。

幼虫なので、結局詳しい種類は判らない。

ここ数年、これらの幼虫を詳しく調査されている方がいるようなので、見る人が見たらわかるんだと思う。

それはさておき、
コメツキの幼虫を先細りにしたような幼虫。

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ヒメドロムシ科の1種Elmidae gen.sp.
体長2.5mmほど。

上の幼虫にギザギザを付け足した感じのちょっとカッコイイ幼虫。

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これもヒメドロムシ科の1種Elmidae gen.sp.
体長3mm弱。
2009年12月20日追記
KUWAKIRA様から、ギザギザ付きの幼虫は
「Dryopomorphus属の幼虫で、おそらくはヒメハバビロドロムシだと思います」
とのご指摘を戴いた。ありがとうございました。
「日本産水生昆虫」という本を読み直してみると、
ハバビロドロムシ属Dryopomorphus の幼虫は、「体の上面に顆粒からなる6本の隆起線がある」とあり、ヒメドロムシ科の幼虫でこの特徴があるのは、ハバビロドロムシ属のみだそうだ。

動いているところ動画。

youtu.be

やっぱりノロノロとしか動かない。
平和的な生き物である。
いずれの幼虫も、お尻から白い房状のものを出し入れしている。
おなかの中の白く光る気管と繋がっているので、気管鰓と呼ぶものかと思う。


もう1種類、おもむきの異なる幼虫がいた。

触角が長く、セカセカとせわしなく歩き回っている幼虫。
なかなかジッとしてくれないので、静止画は無し。

動画だけ貼っておく。

youtu.be

マルハナノミ科の幼虫Scirtidae gen.sp.
コイツもお尻から鰓を出し入れしているので、完全水中生活適応者のようである。
2009年12月20日追記
KUWAKIRA様から、
「おそらくケシマルハナノミHydrocyphon satoi Yoshitomi, 2001と思います。」
とのご指摘を戴いた。ありがとうございました。
こちらは、保育社の甲虫図鑑には、属すらまだ載っていない種類である。
ただ、「日本産水生昆虫」には、検索表に属までは載っていた。
それによると、ケシマルハナノミ属Hydrocyphon 幼虫の特徴を抜粋すると、
・触角は長く、体長とほぼ同じか半分程度あり、
・腹節の後縁には刺毛が密に列生する
とのことで、
「主に渓流の砂礫のところに生息し、河床が砂地の小さな流れでは普通に見られる」種類だそうだ。
教えていただいたケシマルハナノミの学名が、Hydrocyphon satoi Yoshitomi, 2001と言うことは、2001年に新種記載された割と新しい種類と言うことだが、めずらしい種類というのではなく、単に研究する人がいなかったと言うことなのだろう。

KUWAKIRA様は、以前虫ブログを書かれていたようだが、今は休止中のようである。ザンネン。。。
最近、淡水貝類のブログをされている方と同じ人?


ゲンゴロウとか、タガメとか、メジャーな水棲昆虫はいないものの、
よおぉ~く見ると、いろんな虫がいるもんですな。

これで、パッと名前が判るといいんだけどネ。