幼虫の季節型
5月6日にカゴノキで見つけて飼育していたシャクトリムシが、今週に入って蛹化した。
こんな幼虫。
この幼虫は2006年にも飼育したことがあって、
こんな地味な蛾が羽化してきた。
日本産蛾類図鑑(講談社)(私のバイブルその1)を調べると、
ホシミスジエダシャクRacotis boarmiaria japonica
に落ち着いた。
しかしもうひとつのバイブル、日本産蛾類生態図鑑(講談社)に掲載されているホシミスジエダシャクの幼虫とは似ても似つかない。
???で一時保留にした。
これに先立ち、2005年の11月、日本産蛾類生態図鑑に載っているホシミスジエダシャクの幼虫と同じものを見つけて写真に残していた。
生態図鑑によると、シロダモの冬芽に擬態している。とある。
ナルホド、微毛の生えた銀茶色の芽に似ている気がする。
これは残念ながら飼育していない。
さあ、困った。と思っていたが、今年の3月1日、シロダモの枝に同じシャクトリムシを見つけた。
この子はお持ち帰り。
程なく蛹化し、4月14日に無事羽化した。
大きさは違うが、結局どちらもホシミスジエダシャクになったのだった。
要するに、年2回発生するこの蛾は幼虫越冬し、越冬世代の幼虫と、春に発生する幼虫は、季節にあわせて姿が全く異なるのだった。
幼虫越冬する地味な幼虫が、春の訪れと共に脱皮し、鮮やかな緑色になるのはよくある例だが、このように世代間で幼虫の姿が違うのは、初めて知りました。
生き残るためとはいえ、良くできた仕様ですね。
おまけ
5月6日に見つけたホシミスジエダシャク幼虫の成長過程。
5月6日
5月6日
室内撮影
5月10日
一回脱皮した後、また脱皮前の眠に入った。
5月11日
また脱皮。亜終齢になる。
で、5月17日に冒頭の状態になりました。