旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

せまいながらも楽しいわが家?

ヤブツバキの実を見て回ると、ときどき穴のあいているものが見つかることがある。
ツバキシギゾウムシCurculio camelliaeの幼虫が出たあとだ。
これはシギゾウムシの仲間で、身近なものではクリシギゾウムシがいる(ゆで栗の中からときどき出てくるあの白いウジムシ)。ツバキシギゾウムシはなかでもくちばし(?)が非常に長い種類である。口が身長より長い種類などそうそういるものではない。この口で分厚いツバキの実を穿孔して小さな穴をあけ、それから中の種子に産卵する。こうして安全な場所で成長した幼虫は、大穴を開けて脱出し土中で冬越しして来春羽化するそうだ。

出たあとであるから、何もいないだろうと思いつつ皮をめくって種を覗くと何か動くものが、、、、
シリアゲアリの女王アリが1匹潜んでいた。どうも
ラニシシリアゲアリCrematogaster teranishiiらしい(女王アリではワシはよう分類できません)
秋口に出た羽アリが越冬の場所として選んだらしい。
よくいるトビイロケアリなどは6月頃羽アリが出て、地中である程度働きアリを育てて幼虫と一緒に冬越しするが、本種は女王アリ単独で冬越しして来春から子育てをはじめるらしい。そういえばきどばんさんもトックリバチの空き巣の中に潜んでいたシリアゲアリ女王を観察されている。もともと樹上性のアリなので、冬越しも高いところを選ぶんだろうか?

写真は、穴のあいたヤブツバキの実。
下左が、これ幸いと越冬していたシリアゲアリ女王。
下右は、穴をあけた張本人のツバキシギゾウムシ(穴をあけるのは幼虫ですが、、、)

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