ブドウトリバ
寒いながらも陽射しがあればほんのり暖かい今日この頃。
ウメも香る程度に咲いている。
日曜日のお散歩では成虫越冬していたと思われる、
ちっちゃな蛾を見つけた。
採集して1mmスケールを入れて撮影
冬を耐え抜いて翅はボロボロ、、、なのではなく、
もともと羽状に枝分かれした翅をもつ種類である。
後翅後縁に幅の広い鱗粉が5・6個並んでいる。
さて、画像の種はブトウトリバとしたが、
本種には見た目でほとんど区別できない
イッシキブドウトリバという近縁種がいる。
以下、図鑑からの抜粋。
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ブドウトリバ Nippoptilia vitis
後翅の第3羽状翅の後縁には基部近くから5~6個の黒褐色特殊鱗が並び、
翅端に逆三角状の塊がある。
全体暗褐色で後胸の背面は黄白色鱗を密生する。
腹節の中央の白横帯が目立つ。
エデアグスは基部の直前が膨らみ、先端は2叉し、
基部から1/4くらいでユクスタにつながる。
ブドウ科につき、早春から晩秋まで数回発生する。
イッシキブドウトリバ Nippoptilia regulus
前種より色調はより淡い傾向がある。
ユクスタには小さく平行な2本の細い突起を持つ。
エデアグスは基部の直前が膨らみ、先端はわずかな切れ込みとなる。
基部から1/3くらいでユクスタにつながる。
幼虫はブドウの果実につく。
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ということで交尾器を出してみた。
全景
ブドウトリバ Nippoptilia vitis ♂交尾器
横から
ユクスタ部付近の拡大
挿入器(aedeagus=phallus)先端部拡大
先端部が2叉するはずなのに??と思ってよく見たら、
内側に引き込まれてしまっているようだ。
それを含めて考えると挿入器のユクスタの付着部は
1/4付近と考えてイイと思う。
おまけ
昨年秋に採ったコブドウトリバ
コブドウトリバ Nippotilia minor
前2種より小型で赤みが強い。後翅の第3羽状翅の末端に黒色の特殊鱗がみられる。
ヤブカラシにつく。7~10月。オーストラリアでは通年発生。
ではまた