丸ちっちゃい虫
8月中旬のお散歩コース。
全身真っ白になったサクラの木があった。
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クワシロカイガラムシ属の一種 Pseudaulacaspis sp.
サクラにつくカイガラムシについて、ちょろっと調べてみたら、クワシロカイガラムシ P. pentagonaの他、ウメシロカイガラムシP. prunicolaとかヒメクワシロカイガラムシP. simplexとかプレパラートにして光学顕微鏡で見ないと分類出来ないのがいやがるので存在するため、種の同定は早々に諦める。
どの種もときに大発生して木が真っ白になるほど増えるそうだ。
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その木をこの日曜日にチラッと見てみた。
相変わらず真っ白なままで小枝はずいぶん枯れてしまっていた。
幹を覗き込んでみると、ちっちゃな丸い虫がポチポチと付いていた。
カイガラムシの捕食者だろうが、
ヒメテントウみたいに毛深く無いし、
何だろう?と少し持ち帰る。
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タマキスイ科の1種 Cybocephalidae G.Cybocephalus sp.
一般にテントウムシはカワイイ昆虫とされて、割りと市民権を得ているが、こいつは頭でっかちでより可愛く見える。
以前紹介したタマキノコムシに似ているが、タマキノコムシはカイガラムシに集まったりしないので違う。
保育社の甲虫図鑑で調べて見ると、タマキスイ科と言う少数の種からなる昆虫のようだ。
図鑑では日本産はキムネタマキスイCybocephalus nipponicus 1種だけが知られている、とあったが、今回のは胸が黄色くなく明らかに別種。
さらにネットでググると以下の論文がヒット。
A review of the Japanese Cybocephalidae (2013) HISAMATSU, Zootaxa 3616(3)
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本文は有料なのでくじける。
Abstract(要旨)を読むと日本産は2属4種に増えたよう。
属まで増えたとなると、Cybocephalus属の1種とも書けなくなってしまう。。。
区別点知らないし。。。
キムネタマキスイ以外の何か・・・・です。
2014.1.12追記
専門家の方よりご教示をいただきました。
本記事の種は 「Cybocephalus属で、かつ C. nipponicusかC. politissimusかのどちらか。」だそうです。
ありがたや・・・修正しました。
個人的にはC. nipponicus(キムネタマキスイ)は色彩ではずせそうなので、C. politissimusな気がする。
ただ、キムネタマキスイも♀は黒く、♂も色彩変異があるようなので、
Cybocephalus属の1種に止めておきます。
あとはテキトーに画像貼っておしまい。
タマキスイ科の1種 Cybocephalidae G.Cybocephalus sp. 側面と腹面
まるまるしい。
タマキスイ科の1種 Cybocephalidae G.Cybocephalus sp. 背面 展脚した。
体長は1.5mm弱
ピントをずらしながら3枚撮って合成。
タマキスイ科の1種 Cybocephalidae G.Cybocephalus sp. 腹面
♂♀が判らないので一匹解剖してみた。
タマキスイ科の1種 Cybocephalidae G.Cybocephalus sp. ♂交尾器
♂だった。
文献が見られたら3枚におろして光学顕微鏡で見るところだけど今回はヤメ。
タマキスイ科の1種 Cybocephalidae G.Cybocephalus sp. 頭部
画像真ん中にゴースト?が写り込んでる。
デジカメはTG-1を使ったが、コリメート法にチョット向いてないかも。
スゴク手軽に撮れるんだけどね。。。
最近はタマキスイはケシキスイ科に含まれることもあるようだ。
確かに頭部を見るとケシキスイによく似てる。
タマキスイ科の1種 Cybocephalidae G.Cybocephalus sp. 中・後胸
後盾板が後方に突出している。
ではまた