旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

クロモンシタバの交尾器

先週土曜日の八幡さん。
壁の上の方に見慣れない蛾がとまっていた。

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むむ!欲しい。
棒で突っつくと、近くのカエデにフラフラと落ちてきた。

近影。

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クロモンシタバ Ophiusa tirhaca

図鑑に載っている色あせた標本とは違う、渋い色合いである。
隠れて見えない後翅は、鮮やかな黄色で黒い帯がある。

幼虫はヌルデを食うらしい。
来年はヌルデを要チェックだ。


捕まえて♀だったら、生かして採卵しようと思ったが、
♂だったので、標本になっていただいた。

空いた時間に交尾器を見てみた。
腹端部を切りはずして、
5%苛性カリ水溶液でコトコト煮て筋肉を溶かし、
柄付き針で、不要な鱗粉と毛を取り除く。
チマチマ、チマチマ、、、、、、、

図鑑に載っている交尾器は、広げて押しつぶし、
プレパラートにして撮影してあるが、
元々が立体的なものなので分かり難い。

そのまま写真に撮ってみた。

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うん、ピントが回りきらない。
よけいに判らん。
左右非対称なところがある。

チョイ斜めから。

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上の方の2本指をカギにした感じのところは、
ウンクス(uncus;鈎器)

黄色で囲んだところが
バルバ(valva;交尾弁)左右にあるので複数形でvalvae。
交尾の際に、♀の腹端部をこれで挟んで固定する。

青い直線のところにあったものが下記の写真。

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エデアグス(aedeagus;挿入器)penisとも言う。
左が腹部側で、右が先端になる。
エライひねくれたカタチしてますな。

先端の白いモニョモニョは、
ベシカ(vesica;射精嚢or前陰茎胞)
普段はエデアグス内に収まっており、
交尾の際は、反転して膨らみ、
♀の貯精嚢に精子を送り込む。

これらの形は、♂♀で錠と鍵のように決まっており、
種類ごとに様々な形をしている。
だから、学者の先生が新種を記載するときには、
たいてい交尾器の図がつけてある。

本当は交尾器にはもっとたくさんの部分名称が付いているのだが、
勉強不足で、書ききれなかった。

もうちょっとわかりやすい形の交尾器を見つけたら
写真で見る昆虫用語に貼るつもりである。


貼りたい。


貼るかも。


貼れたらいいな。

フェードアウト。。。。。。。。