斑入りのササ
六甲山系にはササが多い。
そのササの葉っぱに、白い斑が入っているのを見つけた。
1×10mm程の白い斑が繊維に沿って散らばっている。
裏返してよく見ると、白い膜を張ったように見える。
拡大すると、
たくさんの糸を幾重にも張り巡らしてできた膜であることが判る。
実はこれ、ハダニのマイホームである。
葉脈の間に膜を張り、間に潜んで、葉から吸汁する。
吸汁されたところは白くなり、斑入りのササができあがる。
上の画像の矢印部は、実際に確認したわけでは無いが、
ハダニのうんちである。
言わば、ハダニのトイレと言ったところ。
巣の中では排泄せずに、外の決まった場所にする。
なかなかキレイ好きなダニである。
膜の向こうで、ダニが動いてる。
大きいのや小さいの、トコトコ・テクテク。。。。
巣の一つを暴いてみた。
まん丸の卵や、孵化後の殻、幼虫、若虫、脱皮殻などが見える。
なかなか大家族の生活ぶりだ。
このハダニ、スゴモリハダニ属Stigmaoepsisの仲間なのだが、日本産は5種類いるようだ。
種の決定には、プレパラート標本にして、光学顕微鏡で背中の毛の長さや位置関係で区別する必要がある。
で、詳細は省く。
詳しく知りたい人は「原色植物ダニ検索図鑑(全国農村教育協会)」を見てね。
で、このハダニを検索すると、
ササスゴモリハダニStigmaeopsis takahashii
になりました。
♂のササスゴモリハダニ
こちらは♀のササスゴモリハダニ
1目盛りはいずれも0.025mm。
♀の前体部拡大(1目盛りは0.005mm)
ハダニの仲間は、触肢の先端に出糸突起があり、そこから糸を吐くそうだ。
で、口針(ピンぼけ)を植物に刺して、チューチューする。
ササラダニのような囓る口ではなく、刺す口になっている。
おまけ
巣から出したハダニは、一目散に駆け出します。
ガラス面を、テテテテテテテテテテテテテテテテ。。。