コクサグモ
連休の土曜日に卵嚢を守っているクモがいた。
コクサグモ Allagelena opulenta
タナグモ科Agelenidaeのクサグモ属Allagelenaの普通種。
翌日曜日にもまだいたので、持ち帰る。鬼畜?
まあ、母グモがいなくなれば、卵寄生のヒメバチあたりが
大喜びで卵を産み付けにくるに違いない。
やっぱり鬼畜である。
たぶん普通種だろうけど、クモは完全に門外漢なので
実物がないと私には判らないのだ。
(上に書いた種名は帰ってから判ったのだぁ)
手持ちの図鑑を見つつ、特徴を調べる。
目は8眼で2列に並ぶ。右斜め前から
前方の4個を前眼列、後の4個を後眼列と呼ぶ。
タナグモ科では目の大きさが一様で、眼列は極端なカーブを描かない。
体表の白い毛が羽毛状なんですね。
脚の爪は3爪。
大きいのが2本と(斜め下から)、
間に小さいのが1本(真横からの図)。
計3本。
こういうクモを三爪類と呼ぶ。2本なら二爪類。
出糸突起は前後に並び、
出糸突起後対は2節で先の方が長い。
篩板はない
頭胸部腹面
タナグモ科では下顎の先端は尖らない。
交接器開口部の形は丸い。
腹部腹面の付け根側にある。
近縁のクサグモでは中央がくびれている。
ヒメクサグモでは開口部が大きく、周囲の硬化部が幅狭く見える。
近縁のクサグモは発生期が本種より早く(8-10月)、
卵嚢は巣の中に作るそうである。
コクサグモの発生期は9-11月。
幼体はコクサグモでは全体赤色、クサグモでは頭胸部が赤色で腹部が黒色なので区別は簡単である、と書いてある。
あと、頭胸部背板の周囲は黒く縁取られるのもコクサグモの特徴だそうだ。
ではまた。