旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

触角の長~いカ

ネタが無かったので、台風明けの休みに採った虫から。

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Macrocera sp.

触角がどちらも切れてしまったのだが、それでも超長い。

ツノキノコバエ科 Keroplatidae ヒゲタケカ亜科 Macrocerinaeに属す。
以前はヒゲタケカ科(別名ヒゲナガフルカ科)という独立した科だったが、
北隆館の新訂 原色昆虫大図鑑 第3巻ではツノキノコバエ科の1亜科にされている。

その図鑑ではハラボシヒゲタケカに似ているのだけど、
細部が違うので属までで留め置く事にする。

背面

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翅の拡大

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R1脈の先端がやや膨らんでいる。

記号の解説
h:肩横脈 humeral crossvein
C:前縁脈 costa
Sc:亜前縁脈 subcosta
Rs:径脈分枝 radial sector
R:径脈 radius
M:中脈 media
Cu:肘脈 cubitus
CuA:肘脈前枝 anterior branch of cubitus
CuP:肘脈後枝 posterior branch of cubitus
A:臀脈または肛脈 anal vein

北隆館の新訂 原色昆虫大図鑑 第3巻にある科の検索表から
翅に関する部分のツノキノコバエ科の特徴を以下に抜き出してみた。
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翅は翅縁に達する4本以下のR脈を持つ

前縁脈は最も伸びた場合でもR脈の最後の分枝の末端をやや越えた部分で終わる

翅に中室を欠くか、持っていてもCuA室は広く翅縁で開き、R4+5脈は分岐しない

翅のR2+3脈はR2,R3脈に分岐しないで単一のためにR脈の分岐は3本以下

翅にR2+3脈を欠くか、ある場合はR4+5脈と共通の柄が第1基室から生じる

翅のM1,M2脈または両脈の共通柄は第1基室または複合基室端の前部から生じる

翅の第2基室が第1基室から独立に、または第1基室と合一した状態で存在する(翅のM3+4脈基部は単独で(CuA脈との共通柄からではなく)M脈基幹から生じるために第2基室を閉ざされる;
稀にM3+4脈の基部が消失する場合があるが、その場合はCuA脈が肩横脈よりはるか先のレベルでM1+2脈基部と結合するために、第2基室は閉ざされる)

翅の第2基室は第1基室の1/2以上の長さか、第1基室と完全に合一する

翅のM1+2脈はRs脈と部分的に融合するので、後者から分岐するように見える
M脈基幹は消失するか、弱く残るか、よく発達する
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ややこしい事が書いてあるが、概ね一致。

ではまた