鳴くらしい・・・・スカシチャタテ
師走である。
ホカイドやらカントーではフユシャク発生の記事がちらほら聴かれるが、こちら神戸南部ではサッパリである。
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しばらく前の(かなり以前?)台風の時、直撃はなかったものの、
枝がポキポキと折れて落ちていたので、
少し集めて束ねて下げておいた。
何か虫が集まるかも?と思ったからである。
さて、その枝の束に網を受けて、ペシペシと叩いてみた。
キノコバエやらタマバエやら、名前の調べようがない種類に混じって落ちてきた虫。
スカシチャタテ属の一種 Hemipsocus sp.
緑の葉裏でよく見かけるホソチャタテやケチャタテと違って枯れ葉で見られる種類である。
スカシチャタテ科Hemipsocidaeの前翅翅脈
後小室のCuA脈とM脈をつなぐ横脈があるのが、スカシチャタテ科の特徴のひとつ。
チャタテムシは漢字で茶柱虫と書くが、これは障子などで「サッサッサッ」と、お茶をたてるような音をたてることから、名付けられたらしい。
その大元となったのがスカシチャタテだと言う話だ。
でその発音器官は後脚基節にあるらしい。
矢印のとこらへん。
40倍程度ではサッパリである。
プレパラートにして、光学顕微鏡で覗いてみた。上の写真とは90度回転した向きです。
一目盛りは0.01mm
ネット上で「スカシチャタテ発音器官」で検索してでてくる画像と似たようなものがな~んとなく見える。
ペアマン器官Pearman's organ と言うらしい。
さらに拡大
一目盛りは0.0025mm
これが?
色の薄い部分が共鳴器官だそうだが、キリギリスの翅などと違って、体内側が体液で満たされているから、共鳴器官と考えるのは少し無理があるような気がする。
これを擦り合わせてヒトに聴こえる音を出すと言うには、些か無理があるような?
障子のような薄いところで発音すると、
聞こえる音になるのだろうか?
実際に確認するのは、相手が小さいので大変だ。
音がしているところを見ると、スカシチャタテがいた。と言う
話はちらほらと本で見かけるんだけど。。。。。。
よくわかんないや。
江戸時代の妖怪、小豆洗いの正体として出てくる図は
明らかにコチャタテ科のようだし、
ペアマン器官で発音が確認されたのは、海外のスジチャタテで確認されているだけみたいと、会社の上司は言っていた。
私はここで投げます。
おまけ
フォトアルバムにスカシチャタテの翅脈図を作ってみました。
コチラ→写真で見る昆虫用語・・・その他虫
フォトアルバムに貼った翅脈図