蛹の尾突起
尾突起(cremaster)とは第10腹節の先端が伸びたもので、
鉤状刺毛が生えていることが多い。
この刺毛の一部は第10腹節の肛上板の刺毛に起因する。
鉤状刺毛は幼虫期に吐いた糸に引っ掛かりやすい構造になっている。
これは動くことの出来ない蛹がコロコロ転がっていかないように保定することや、
羽化時に蛹の殻がついてこないようにするためにも重要な構造である。
ただ、ヤママユガ科などの緻密で丈夫な繭を作るものでは発達しない種類もある。
また、スズメガ科などの元々繭を作らず土中でゴロンと蛹になるタイプでも、
鉤状刺毛は未発達である。
鉤状刺毛は種によって分類の特徴とされることもあるが、
ある種を含むグループ全体で蛹が記載されている事はまれで、
分類に利用するにはまだまだと言った感じ。
と、ごちゃごちゃ書きましたが、
この間見た蛹の鉤状刺毛が面白い形なので載せたかっただけである。
これ。
クロスジアオシャク蛹の鉤状刺毛
クリンッ、となっている。
絶対離れなさそう。
過去にはこんなのも。
スカシカギバ蛹の鉤状刺毛。
王冠みたい。
脳裏に「ブースカ」が出てきた人は、かなりのお年です。
私?
出ましたよ。
ではまた