旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

名無しのチイサナ蛾

この日曜日は、夏の名残のチッチゼミの鳴き声がとうとう聴こえなくなった。
近所のキンモクセイの花も、もう散り始めている。
秋ですなぁ。。。

山の虫も、ハエ・アブ率(?)が高くなってきた。

ウバメガシの葉っぱにヒョロヒョロと止まるチッコイ虫が。

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Phaeoses sp.


やや、蛾ではないか。

4・5年前から年数回見かける、顔見知りの蛾である。
顔見知りだが、名前は知らない。

調べていくと、名前が判らないのではなく、
名前がまだ無いことが判った。

ヒロズコガ科Tineidae の
メンコガ亜科Hieroxestinae に含まれる、
Phaeoses属の1種。

下唇鬚が牙状に見えるので、一見キバガ科にも見えるが、
キバガの仲間は、こんな風に水平面に下唇鬚を広げて止まることはない。

国立科学博物館専報43. 「皇居の動物相モニタリング調査」という本の、
42ページ Fig16 が、そっくり模様が同じである。
この図の説明が、先に書いたPhaeoses の1種と紹介されていた。

この虫、皇居では、
吹上御苑、2004年6月3日♂2個体、同、2004年9月16日♂1個体。
下道灌濠、2005年8月3日♀1個体、同、2005年9月14日♀2個体。
が、採れているそうだ。

以前、新・蛾像掲示板 でも貼られていたのを見たことがあるし、

名前がないから、めずらしいというのではなく、
単に、ヒロズコガ科の研究者が日本に少なく、
記載が進んでいない。だけらしい。

今回の子は、写真を撮ったら逃げられてしまったが、
以前に採った分の標本写真。

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Phaeoses属の1種。展翅



お散歩コースで撮った同種の写真データを抜き出してみる。
2004年8月1日
2004年8月21日
2004年9月26日
2005年5月15日
2005年8月13日
2006年11月4日
2007年10月28日
2008年11月2日
2009年10月17日
結構撮ってるなぁ。
5月から11月まで、だらだら撮れている。。。

つかめない虫である。