旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

ベニボタル科の幼虫

日曜日に篩ってきた腐葉土にいた幼虫。

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保育社の甲虫図鑑のⅠ巻をパラパラめくってベニボタル科の幼虫に行き着いた。
日本産ベニボタル科は19属あるが、Ⅰ巻にある幼虫の図はハナボタル属 Plateros,クロベニボタル属 Cautiresカクムネベニボタル属 Lyonia の3属だけ。
このうちハナボタル属は尾突起がなく、
クロベニボタル属は腹節それぞれに突起があり、
尾突起のみがあるのはカクムネベニボタル属なので、
今回の画像はカクムネベニボタル属の可能性が高いと思われる。

グラフ用紙をバックに腹面

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体長は約10mm。


頭部拡大、背面

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触角の膜質部は広いため、2節しかないのに非常によく伸縮する。
触角先端節にはスリットがあるように見え、とても怪しい形。
大顎は細く、咀嚼には使えそうになく退化している感じ。
大顎(おおあご)の後ろに隠れて見えるのが小顎。

頭部拡大、腹面

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小顎の方が発達して見える。

以前ネットで知ったがベニボタル科幼虫は粘菌の変形体(アメーバ状に動く時期)を捕食するそうだ。
参考--> 「ベニボタル科の幼虫は粘菌の変形体を捕食して育つ
こんな変わったものを食べるからか?どことなく異形。
というか大顎が細く関節部分が貧弱なので甲虫の幼虫っぽくない。

あと、ヒメキノコムシ科は粘菌の子実体を食べる。これは以前紹介した。
素早く育つ虫(マルヒメキノコムシ)
粘菌食いの虫・・・・・・・クリイロヒメキノコムシ


子実体の期間は非常に短いためか
ヒメキノコムシ科の種数は少ない。
それと比べると変形体の時期は長く利用しやすいためか
ベニボタル科の種数は多い。


ベニボタル科Lycidae の幼虫の顔、もう一枚。

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成虫は持ってるかな?と標本箱を見たら3種類入ってたけど
同定が。。。

カクムネベニボタル Lyonia quadricollis は合ってそうだけど♀。画像はまた今度。


おまけ
以前見かけた謎の光景。

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たぶんベニボタル科の幼虫が粘菌を捕食しているところだと思う。
2008.XI.30.神戸市
別の処に貼ったのを再掲しておく。

ではまた