マダラオオフンコバエ
昨年の秋、人の通らないコースを歩いた時、
ジョロウグモのジャマな巣を棒でくるくる巻き取りながら歩いたら、
握りこぶし二つ分くらいの塊になった。
クモの糸って確かアミノ酸かタンパク質が主成分だったよな?
虫の死骸や枯れ葉も巻き込まれているし、案外栄養価の高い塊かも?
と言うことでコンビニ袋に入れて口を縛らずに浅い窪みに置いて
枯れ葉で覆っておいた。
世界初?のクモの巣をベイトとしたトラップである。
この間、様子を見てみた。
開けるとハエが20匹くらい飛び出した。
マダラオオフンコバエ Crumomyia annulus
フンコバエ科の中では大型の種類である。
フンコバエ科は昔の図鑑ではハヤトビバエ科と呼ばれていた。
本科の特徴は後脚の第1付節が太短い事である。
あと、触角刺毛が長い種類が多い。
マダラオオフンコバエ Crumomyia annulus の蛹
ハエの蛹は幼虫(ウジ)の皮を脱がずにそのまま内部で蛹化する。
この状態の蛹を「囲蛹(いよう)」と呼ぶ。
よく見かける?キンバエやニクバエの囲蛹と違って
マダラオオフンコバエの囲蛹は透けている。
幼虫は動物質、植物質の腐植に発生するそうなので
クモの巣限定ということではない。 残念。。
真冬をいうこともあるのか、
本種以外はこれといったものがいなかったので元に戻しておいた。
また暖かくなったら覗いてみよう。
少し採集して室内撮影。
マダラオオフンコバエ Crumomyia annulus 背面
矢印部がフンコバエ科の特徴の太短い後脚第1付節。
マダラオオフンコバエ Crumomyia annulus 側面
体長は約4mm。脚はまだら、と言うかシマシマ。
脚がまだらにならず黒色の種類にヤマトオオフンコバエがいるが、マダラオオフンコバエにはかなり黒っぽい個体が出るそうなので同定には注意が必要とか。
ではまた