隙間の生き物
山すそのお寺の脇にある、雨ざらしの廃材置き場。
そこにある朽ちた板を
何気なく捲ってみると、ぺたんこの幼虫が隠れていた。
挟まったからぺたんこではなく、元からこんな体形。
1匹持ち帰って拡大。
アカハネムシ科の幼虫。
成虫は5月頃見られる。
甲虫学会の発行する「さやばねニューシリーズ」という雑誌があって、
今年出た18号に「日本産アカハネムシ科の幼虫とチェックリスト」
という報文があった。
なんとタイムリーな。
尾突起の形を基に作られた検索表があり、それでいくと
ムナビロアカハネムシ Pseudopyrochroa laticollis に行き着いた。
ムナビロアカハネムシ Pseudopyrochroa laticollis 幼虫尾突起拡大。
「尾突起の間は広く突出し、尾突起の長さと尾突起間の距離はほぼ等長」
と言うのが検索表から抜粋した本種の特徴。
成虫は以前採集していた。
ムナビロアカハネムシ Pseudopyrochroa laticollis♂ 2010.V.4
触角は整えていなかったので画像からはよく見えないが
立派な櫛状である
保育社の原色日本甲虫図鑑Ⅲにあるアカハネムシ科の検索は
頭部に関する記述が素人には難解で放置していたけど、
改めて見ると成虫もムナビロアカハネムシで良さそうだ。
本種の前胸は黒色だが、ごく近縁のヒメアカハネムシは赤褐色のことが多いそうだ。
ムナビロアカハネムシ Pseudopyrochroa laticollis♂頭部拡大。
ムナビロアカハネムシ Pseudopyrochroa laticollis♂触角先端。
本種の触角第10節の枝は長さの2倍程度、だとか。
おまけ
ムナビロアカハネムシ Pseudopyrochroa laticollis♂交尾器
どうやったか忘れたけれど内袋まで反転してる。
たぶんオキシフルを注入したんだと思う。
おまけその2
幼虫の顔はひし形
ではまた