旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

金庫破りみたいな?(ただし中から)

しばらく前ヨモギを綴っていたいもむしを持ち帰った。

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たぶん何でも食べるチャノコカクモンハマキ辺りだと思う。

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ある日その容器に小さなハチがいた。
こんなの。

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アブラバチ亜科Aphiniinaeの1種。

最初、いもむしに寄生するハチ?と思ったが、
それにしてはいつもと違う雰囲気なので
萎びたヨモギを拡げてよく見ると

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アブラムシのマミーが見つかった。

マミーとはミイラのことでこの場合、
寄生された昆虫が内部を喰い尽くされ、
中で繭を作られた状態をいう。
繭の英語は普通コクーン(cocoon)。
が、寄主の外皮を利用したただの繭が、
まるで生きているような状態で硬化しているので
ミイラになぞらえてあえてマミーと呼ぶようだ。

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脱出は寄生バチが噛み破って出て来るが、
脱出口はコンパスを使ったような綺麗な弧を描いている。

アニメや映画の金庫破りのシーンでレーザーとかで
チュィーッと鉄板を切っていく感じ?

ところでこのアブラバチ、元々はコマユバチ科だったのが
北隆館の新訂原色昆虫大図鑑3巻ではアブラバチ科Aphidiidaeと
独立した科の扱いになっていた。
が、最近ではまたコマユバチ科Braconidae に戻されて
アブラバチ亜科Aphiniinae とされるのが主流のようだ。
渡辺恭平・伊藤誠人・藤江隼平,清水壮,2015.Web寄生蜂図鑑 と言うサイトの
コマユバチ科の解説のページを読むとそのようなことが書いてあった。

おまけ
アブラバチの1種の前伸腹節

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ハチの仲間のうち、細腰亜目と呼ばれる腰のくびれたハチの仲間は
腹部第1節が胸部の一部になっている。
これは運動器官である胸部の容積を大きくするために
そうなってと言われている。
らしい。

ではまた