旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

げんせいの仲間

げんせいと言うのは漢方薬に使われる有毒の昆虫である。
その仲間が近所にいた。

11月の8日に見かけたヘンチクリンな虫。

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鳥にでも襲われたのか、あちこちちぎれて虫の息みたいな感じ。
お散歩コースでは初見のグループである。
ツチハンミョウって河川敷とか開けた草っぱらにいる
イメージを持っていたのでいささか意外。

お持ち帰り。

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キュウシュウツチハンミョウ Meloe auriculatus の♀みたい。

保育社の原色日本甲虫図鑑3巻を読んでみる。
藍色の丸こいツチハンミョウのうち、前胸が幅より長いツチハンミョウ(幅より短いのはマルクビツチハミョウ)で晩秋に発生する種類はヒメツチハンミョウ、メノコツチハンミョウ、キュウシュウツチハンミョウの3種類。
このうちヒメツチハンミョウが一番普通に見られるそうだ。
でも、ヒメツチハンミョウは触角第1節が長く、第2~4節の和とほぼ等しい、とあるのでこれとは違う。
後の2種のうち、メノコの分布が北海道、本州中北部で、キュウシュウは本州近畿以西、九州とあるので、 ここ神戸で採れるのはキュウシュウツチハンミョウなのだろう。
♂の場合は触角の5~7節が太くなり種によって形が違うので♀より同定はたやすいようだ。

図鑑の解説はこう。
メノコ・・・触角第3節は細長で♂♀ともに第2節の2倍よりやや長く、第4節よりは明らかに長い。
キュウシュウ・・・第3節は第2節のほぼ1.5倍(♂)で第4節の1.5倍以下。

画像で確認するとこんな感じ?

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ツチハンミョウ類は土中に何千という卵を卵塊にして生み、春に孵化した幼虫は適当に植物に上って待機し、何かが通りかかると取り付いて運ばれていく。そのうちハナバチに付着したものだけが巣に運ばれて花粉団子を横取りして成長する、というばくち打ちみたいな生活スタイルをとっている。

今回見たものはお腹が小さく、既に産卵を終えた個体であった。
憶えていたら来春1齢幼虫探しして見よう。

おまけ
キュウシュウツチハンミョウの顔

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ではまた