ウスキツバメエダシャクの卵
日曜日に見かけたウスキツバメエダシャク Ourapteryx nivea
普通種だけどなんとなく拉致してしまった。
同属の近縁種にフトスジツバメエダシャクやシロツバメエダシャクがいる。
シロツバメエダシャクはさざ波模様が外側にしか現れないので区別できる。
フトスジツバメエダシャクは顔面が灰白色なので区別できる(ウスキツバメエダシャクの顔面は橙褐色)。などと図鑑には書いてある。
ウスキツバメエダシャクの顔面
ちょっと禿げてますが橙褐色。
さて容器に入れたまま冷蔵庫の野菜室に2日。
中を覗くと緑色の粒が。
ウスキツバメエダシャクの卵。
なかなか凝った細工が施してある。
蓋のような円盤はカメムシ的な感じである。
円盤の中心点は精孔と言って受精する際に精子が通過する穴があるそうだ。
母蛾が死んだので腹内を確認したら卵が残っていたので、
光学顕微鏡で表面構造を観察。
ウスキツバメエダシャクの卵殻。
中心が精孔だけど、この程度の拡大率では穴らしいものは見あたりませんな。。
目盛りは0.01mm(数字は0.1mm間隔)。
なかなか複雑な彫刻である。
おまけ
ウスキツバメエダシャクの♀交尾器
千切れちゃった。。。
コルプス・ブルサエは交尾の際、精子を一時貯蔵する袋状の器官で、日本の鱗翅類という本では「交尾嚢」と訳されていた。昔は貯精嚢といってた気がする。
ウスキツバメエダシャクの交尾嚢には半球形のシグナムがある。
シグナムの拡大
トゲは内側に向いている。
「シグヌム(signum;複数形はシグナsiguna)」はコルプス・ブルサエ(corpus bursae)の内面に見られる刺状あるいは板状硬化部のことを言う。
機能については判っていないが種によって違いがある。
ではまた