旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

巣を作らないアリジゴク

ひっさしぶりの晴れた日曜日。

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晴れてみると、そこいら中にヤドリバエが飛んでいる。

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例年にない多さ。

マイマイガの幼虫を見るとことごとくヤドリバエの卵を産み付けられている。

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さて、稜線のちょっとしたピークで一服していると、脇でビーッとハエの羽音。
3秒程だったか、
音のした方を見ると、あのたくさんいたヤドリバエが一匹落ちていた。

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むーん?なんか不自然ではないか?

ひょっとして?

横から少しずつ砂を除けてみると、、、

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アリジゴクがいた。
素早いハエをあっさり捕まえるなんて、なかなか強力な毒を持っているらしい。

アリジゴクと言えば、乾いた砂にすり鉢状の巣を作り、
通りがかった虫が落ちて来るのを待っているあのむしである。
うちの田舎(京都府北部)では「ベンベコ」と呼んでいた。

アリジゴクはウスバカゲロウ科の幼虫であるが、
中にはすり鉢の巣を作らない種類がいる。

巣を作らない種類でよく見かけるのは、
コマダラウスバカゲロウと言う種類。
石垣などの垂直面にいて付近の地衣をまとってカムフラージュしているが、見える場所にいるためその気になれば割りと見つかる。

今回のような砂に潜って巣も作らない種類は見つけることは非常に困難である。

じーっと廻りを見ていると、もう一匹いた。

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頭の大きさは同じだが、餌にありつけなかったのか体が小さい。
で、前進していた。すり鉢の巣を作る種類は後退しかしないのでこれは大きな違い。
砂に潜るときは普通にお尻から潜っていった。


大きい方の背面。

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ウスバカゲロウ科の1種 Myrmeleontidae G.sp.
カスリウスバカゲロウ Distoleon nigricans


同個体の腹面

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ウスバカゲロウ科の1種 Myrmeleontidae G.sp.
カスリウスバカゲロウ Distoleon nigricans

頭部の腹面が全体に浅黒い種類っていたっけ?
コカスリウスバカゲロウとかホシウスバカゲロウは模様があったはずだし、
マダラウスバカゲロウはツノトンボ的な形をしていたはず。。。

こいつは何者?
うまく羽化したらココで報告しますです。

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2014年5月5日追記
コメントでhamusi様から種名を教えていただきました。
カスリウスバカゲロウ Distoleon nigricans との事です。
hamusi様、ありがとうございました。
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ではまた

おまけ画像追加(2014.5.1)
生息環境

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稜線沿いの小さなピークの裸地。畳2枚ほど。
雨ざらしだけど、風化花崗岩の岩と砂礫のため、
すぐに乾燥する場所。
そんなところにいました。
では