旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

跳ね繭

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八幡さんの紅葉は一部残ってますが、
クロスジフユエダシャクが乱舞する季節となりました。
フユシャクシーズンともなると、歩いているだけでは何も見つからない。

とと、キアシナガバチの古巣が落ちている。

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巣を食べるシマメイガ類がいないかと、拾い上げて割ってみた。

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!!!

角付きの繭が一杯詰まっていた。

アシナガバチにはヒメバチが寄生する、
と言うのは以前聞いたことがあるが、、、
繭の画像をツイッターに貼ってみた。

蜂の先生より「Latibulus属ですね」の返信。
その繭、跳ねますよ。とのこと。

繭が跳ねる?!
聞いたことがある。
それは見ないとね。
お持ち帰りして繭を取り出してブラケースに入れ、暖かい部屋に置くことしばし。
ぺちぺち言いながら、跳ねだした!

・・・
跳ねると言うより、転がる、と言った感じ?
でも面白い。

しかし蜂の幼虫はハバチなどを除いて手足のないウジムシ型のはず。
どうやって繭を動かすだけの瞬発力を生むのだろう?
誘惑に負けて、繭を1個切り開いてみた。

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角の部分は空洞で繭の本体は細長い樽型。
幼虫はやっぱり手足のないウジムシ型。

見ていると、うにうにと体をよじって、
頭部を繭の内壁に押し付けては勢いよく体をピムッと反らしている。
割りと単純な動作。
頭部は繭中央辺りの同じ場所に押し付けているように見えた。

幼虫を除いて繭の中を見ると、内壁は全体ツルツルに仕上げてあるが、
中央に2箇所(切り開いた側を入れて4箇所)ほんのわずかに
盛り上がってザラザラした部分があった。

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拡大

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で、幼虫頭部の拡大

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チョット分かり難い方は画像をクリックして拡大して見てね。
何もかも退化して触角などの付属肢がポッチと化している。
大腮に見えるものは小腮鬚の痕跡が見えるので小腮だろう。
大腮は退化して見えないようだ。
んで、おでこの辺りだけギザギザの硬化した部分がある。

見ていると繭のザラザラとおでこのギザギザを引っ掛けて瞬発力を得ているようだ。

でも本種における跳ねる意義は何だろう?
想像だが樹上の吹きさらしのアシナガバチの古巣から
地表のふかふか落ち葉に移動するための手段かな?
と思う。

ただ今回は巣自体がシマメイガ類に食害されて
糸で綴られてしまっていたため、
脱出する事が出来なかったのではないか、と思った。
(冒頭の割った巣の画像の矢印部にシマメイガ類の蛹殻が見える)


ではまた