旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

ちっちゃいヤガ

日曜日、ヤブツバキの幹にチラチラ飛んでは止まっていた
ちっちゃい蛾。

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クロモンホソコヤガ Araeopteron kurokoi
特にツバキに限った訳ではなく、カシ類や他の太めの幹に止まっているのをよく見る。

ちっちゃいと言っても大きさが伝わらないので、
展翅したもの↓。(こちらは2週間前に採集)

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翅を広げても10mmしかない。

クロモンホソコヤガはヤガ科のホソコヤガ亜科に属す。
ホソコヤガ亜科AraeopteroninaeはAraeopteron属1属のみの小さなグループで、日本産既知種は5種。他に岩手や小笠原で未記載種が数種存在する。

クロモンホソコヤガの前翅は灰白色で斑紋は黒褐色、前翅前縁の下の外横線の内側に接するところにある暗色斑と翅頂付近の暗色斑は大きくて明瞭である(写真の黄色矢印)。
と、図鑑に書いてある特徴と一致したので合っているだろう。

この蛾は小さな蛾ではあるが、いわゆる小蛾類ではなく大蛾類に含まれるヤガ科である。

日本産の蛾の仲間のうち、新二門類Apoditrysia に含まれる、カレハガ上科・カイコガ上科・イカリモンガ上科・カギバガ上科・シャクガ上科・ヤガ上科が大蛾類、残りが小蛾類である。ちなみにこれらは鱗翅目に含まれ、他にアゲハチョウ上科とセセリチョウ上科はいわゆる「ちょうちょ」でこれも鱗翅目に含まれる。

小蛾類は大蛾類に対する便宜的な呼び方で、蛾類の分類群のうち比較的原始的とされるものに小型の蛾が多いため小蛾類と呼んでいる。そのため例外もあり、この間紹介した大きなコウモリガも小蛾類の仲間になってしまう。


ブログの記事からは想像出来ないかも知れないが、
私は小蛾類を虫の趣味の中心としているつもり。

この蛾は大蛾類だけど、いいんです。
ちっちゃいは正義。

ではまた