旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

これまた

ぐずついた天気が続く日曜日。
昼からマシになったので お散歩へ。

9月になったというのに、しかも昼間だというのに、アブラゼミが羽化していた。
夜と勘違いしたのかしらん?
ツイッターにケータイ画像を貼ったけど、
こちらでは、デジカメで撮った方の画像。

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夜出歩かないので久しぶりに見た。ウレシイ

同じ木の下の方にいた蛾。

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アシブトチズモンアオシャク Agathia visenda
翅がちょい破れてる。

チズモンアオシャクとは前翅中央の斜条の角度で区別できる。
ので、わざわざ交尾器を出す必要はないのだけれど。
出して見た。

バルバを開いて正面から。ファルスは外した(左の円内)。

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アシブトチズモンアオシャクの♂交尾器
テグメンが外れていがんでしまった。
矢印の所に、フサフサとした毛の束。

側面から

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バルバの付け根とビンクルム(vinculum;第9腹板由来の幅の狭い硬化片)の間に毛束がある。

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よく見ると膜質の蛇腹になった袋状で、伸ばすと交尾器の倍以上の長さ。

これはコレマタと呼ばれる器官。
♂が分泌する性フェロモンの放出器官である。

「日本の鱗翅類」にあるコレマタの解説。
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ハマキガ科、シャクガ科、ヒトリガ科などでは、特定の腹節(とくに第7-9腹節)の腹側方に1対の反転可能な嚢状部「コレマタ」(coremata)をもち、その内部には発香性の鱗粉や毛束をもつ。
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♀が♂を探索する行動や交尾許容の誘発、また近距離での誘引作用があると考えられているが、実証例が少なく不明確。だそうである。

まあ、「ボク、敵じゃないよー」って♀に知らせないと、飛びかかる前に逃げられてしまうから、何かの信号は必要だろう。


おまけ。
シロヒトリ♂のコレマタは非常に長大である事が知られている。
図鑑を読むと、♂は薄暮時にコレマタを伸ばしているところが観察されており、♀を誘引していると考えられているそうである。

で、この間拾ったシロヒトリを実験的に膨らませてみた動画を作った。
普通の人が見たら、死体をもてあそんでいる様にしか見えない
と思うので一応閲覧注意です。

こちら↓



胸に開けた穴から空気を吹き込んで膨らませましたが、
実際は体液で膨らませるものと思います。

 

ではまた