ご近所のマダニ その3
さて、ご近所のマダニ類の3種目、最後のダニは
フタトゲチマダニ Haemaphysalis bispinosa Neumann,1897
標本箱にあるのに気がついたものなので、干からびた状態である。
フタトゲチマダニ♀の背面
背板が小さいので♀ですね。
フタトゲチマダニ♀の腹面
チマダニ属の特徴である「肛門溝(肛溝)anal groove」は肛門後方を囲み、「花彩 festoon」が認められますね。
フタトゲチマダニ顎体部の背面拡大。
フタトゲチマダニの特徴は、
触肢第3節の背面に後方に向いた三角状の突起がある、
顎体基部の幅は長さの3倍内外。など。
その他の特徴は
気門板は前後に長い。
触肢第2節は横に張り出す。
背板は亜円形で前後に長い。
口下片は触肢と同長。 などだそうだ。
その他の用語覚え書き。
多孔域 porose area
角状体 cornua (顎体基部背面後側角部の小突起,顎体基部腹面のものは耳状体 auricula と言う)
なお、フタトゲチマダニには産雌性単為生殖をする系統と両性生殖する系統が知られており、単為生殖系統は主に東日本に多いそうだ。また、放牧場では単為生殖系統ばかり見つかるそうである。
変なの。
ではまた