旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

ヒロバモクメキリガの♂交尾器

暖かい日曜日、先週辺りからクロスジフユエダシャクの最盛期に入ったので、
二番手のクロオビフユナミシャクが出る頃だろう、と予想をたてつつお散歩へ。
いたいた、毎年見る普通種は見ておかないと落ち着かない。
が、写真はズボラしてケータイ写真のみ。


さて、樹の根元にいた蛾。手に乗せるとキュッと縮まって小枝の振り。

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(これもケータイカメラ。ごめん)

よく見掛けるキバラモクメキリガかな?と思いつつ現地でツイート。
念のため持ち帰って調べたら、同属ながら別種の
ヒロバモクメキリガ Xylena changiだった。orz

本種にはハネナガモクメキリガXylena nihonicaという外見が酷似した別種がいて、
「ヒロバモクメキリガの方が前翅の幅がやや広く、前翅翅頂がややえぐれる傾向があるが、顕著な個体を除いて外見での区別は困難」、だそうだ。
なので、正確な同定には交尾器を見る必要がある、だそうで、

以下、ヒロバモクメキリガの♂交尾器

バルバを開いて腹面から(ファルスは除く)

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ククルスの先端(黄色円内)がハネナガモクメキリガでは二股に分かれているので腹端を拡大して見れば、解剖しなくても区別可能だそうだ。

※ククルス(cucullus);バルバの先端あるいは背方先端部で、多数の毛や剛毛におおわれる。


ベシカ(vesica;内袋)を反転した状態のファルス

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コルヌティの拡大

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このトゲの長さは図鑑を見る限り、ハネナガよりヒロバの方が長く見える。

おまけ。
本体も展翅したので、ちょっと乾いたところで1枚ぱちり。

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ヒロバモクメキリガ Xylena changi

ではまた