旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

コシボソガガンボの1種

土曜日は秋分の日で連休だった。
連休だと思うと初日はダラダラ過ごしてしまって、出掛けたのは3時過ぎ。

ツクツクボウシアブラゼミニイニイゼミがまだ鳴いている。

それでもヒガンバナが咲いているのを見て、さすが秋分
秋は順調にやってきてるなぁ。と妙な感心。

これと言った虫はいないなぁ、と思いながら歩いていると、
シダの葉っぱに模様付きのガガンボがいたので、
ちょいとフィルムケースを被せてお持ち帰り。

林の中はもう薄暗く、生態写真は撮らず。

帰ってよく見ると、ガガンボではなく、
コシボソガガンボ科Ptychopteridae だった。


以下、標本写真。全形

f:id:insectmoth:20170226002018j:plain



コシボソガガンボ科は、脚の取れ易さとか見た目はガガンボ類によく似ているが、
そんなに近い仲間では無いそうだ。

コシボソガガンボ科を他のガガンボ型昆虫から区分する特徴は、
平均棍の付け根に「前平均棍」と呼ばれる突起物があること。


前平均棍。(毛の生えた指状の突起)写真ヘタクソでゴメン。
この器官はコシボソガガンボ特有らしく、本を読んでいてもあまり出てこない。
出てきても本によって呼び方が違ったりする。

手持ちの本だと、
昆虫学辞典:basal appendage 基付属片
新訂原色昆虫大図鑑:前平均棍
日本産水生昆虫:prehalter 平均棍前突起
などなど、、、

コシボソガガンボ亜科の翅脈。


翅脈の記号は新訂原色昆虫大図鑑を参照した。
この図鑑以外の本では()内の表記なので注意してね。
翅脈でのコシボソガガンボ科の特徴はA脈が無いこと(従来の図鑑ではA脈は1本と書いてある。)

その他では単眼が無いのも特徴か。


日本産コシボソガガンボ科は,
コシボソガガンボ亜科Ptychopterinae (触角15節、翅脈M1+2は分岐)と
ヒメコシボソガガンボ亜科Bittacomorphinae (触角20節、翅脈M1+2は分岐しない)の2亜科。

日本産コシボソガガンボ亜科はコシボソガガンボPtychoptera 1属から構成される。
その中でも翅に帯状の斑紋のある既知種は3種。
オビコシボソガガンボ P.japonica
ヤスマツコシボソガガンボ P.yasumatsui
タケウチコシボソガガンボ P.takeuchii

「日本産水生昆虫」にコシボソガガンボ科の検索があったが、
翅の模様が一致するものがなかった。
これが個体変異によるものか、別種なのかは私には判らず。

解説には未記載の別種が少なくともオビコシボソガガンボで6種とかヤスマツコシボソガガンボでも他に1種は見つかっているとのことでこれ以上の追求はヤメ。
♀だし。



役に立たないと思われる、おまけ情報

コシボソガガンボ科の蛹は蚊の蛹(オニボウフラ)と同じように一対の呼吸角を備えるが、コシボソガガンボ科では大きさが非対称で片一方だけが体長ほど伸長するそうだ。
その呼吸角は、コシボソガガンボ亜科では右側が長く、
ヒメコシボソガガンボ亜科では左側が長いんだって。


ではまた。
2012.9.30追記
ハナアブの世界」でおなじみの市毛先生より、ご教示。
コシボソガガンボ科は現在12種に増えているとのことです。
該当論文はコメント欄を参照。
論文の著者のお一人はガガンボ類とシリアゲムシの研究者の中村剛之先生。「達磨大蚊天国」のブログでおなじみ。