旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

屋内のハチ・・・キアシアリガタバチ

休みにお散歩行けてません。。。。

月曜日に自宅に帰るなり、ヨメに言われた。
「ここ、虫歩いとるで。」
見ると、2mmほどの黒い虫。
虫退治係は私なので、ヘイヘイと言いながらフィルムケースに確保。

いつもならそのままお外にポイ、なのだが
日曜日に虫採ってないので会社に持っていった。

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キアシアリガタバチLaelius yamatonis
アリガタバチ科Bethylidae、ヒメアリガタバチ亜科Epyrinae、アラゲアリガタバチ属Laelius に属する。


翅を広げて背景を変えてもう1枚

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キアシアリガタバチLaelius yamatonis


頭部拡大

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触角は13節、第1,2節は黄色。他は暗褐色。


翅脈は単純である

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前伸腹節には縦の隆起線に細かい横皺

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以下、日本の昆虫Vol.1アリガタバチ科(2006)日本昆虫学会編より抜粋
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ヒメアリガタバチ亜科Epyrinae の特徴
前伸腹節側縁に突起はない
腹部第2節は大きくなく、第3節以降の長さの和より短い。
基脈は単純で、別の翅脈(Rs+M)は派生しない。など。

アラゲアリガタバチ属Laelius の特徴
触角は13節からなる。
頭盾前縁は中央で突出し、複眼は側方に位置する。
径脈①は短く、基脈②よりも短い。

キアシアリガタバチLaelius yamatonis の特徴
脚は黄から赤黄色。
触角柄節と触角第2節は黄色。
前伸腹節背面中央には7本の縦走隆起線がある。
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ただ、この7本のうち、3番目と5番目の隆起線は非常に細く確認しがたい。
写真にも写ってない。へぼ写真でごめん。

翅脈の写真もへっぽこである。心眼で見てください。


わざわざタイトルに「屋内のハチ」と書いたのは、
たまたま屋内で見つけたからではなく、屋内に住んでいるから。
このハチ、屋内害虫であるヒメマルカツオブシムシを狩るハチである。
小さいから寄生蜂と言いそうだが、立派なカリバチの仲間である。

キアシアリガタバチはヒメマルカツオブシムシの幼虫を見つけると
毒針で刺して麻酔し、卵を産み付けます。
その際に幼虫の腹面の毛を丁寧に抜き取って、そこに卵を産み付けるそうだ。
なかなかオモシロイ習性である。

昆虫標本も食い荒らすヒメマルカツオブシムシの天敵だから、虫屋にとってはありがたい虫であるが、うっかり押さえつけたりしたら刺されるので、ありがたかったりありがたくなかったり、、、、

あ、アリガタバチの「アリガタ」は、有り難いのアリガタではなく、
蟻形のアリガタです。念のため。

ではまた。