旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

春のハバチ・・・ニホントガリシダハバチ (と思う)

4月になりサクラもようやく開花。
だがお散歩の日に限って天気が芳しくない。

ふぬ~~。
気を取り直しまして、

春と言えばハバチ。(え?)

3月の日曜日に見た初ハバチ

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体長5mm強


大阪府のハバチ・キバチ類」で分類を試みた。

科の分類・・・

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触角は9節で糸状
前胸背板は短く中央部で狭くなる。
頭盾は頭部と区分される。
メスの産卵管鞘は後方に伸張しない。
オスの腹部末端には後方に伸びる突起がない。

以上の特徴により、ハバチ科Tenthredinidaeになった。

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次、亜科の分類・・・・

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基脈と肘脈は亜前縁脈上のほぼ1点で接するか、
離れる場合でもその間隔は第1肘横脈より短い。
肘脈基部は縁紋方向に強く曲がる。

以上よりシダハバチ亜科Selandriinaeになる。


※この記事では翅脈の名称は「大阪府のハバチ・キバチ類」にならった。
図の肘脈は、図鑑によっては中脈とされていることもあり、
また、亜前縁脈は径脈のような気もするし、
本当のところが私には判らない。

だいたいハバチは蛾と違って翅脈が分離・合流を繰り返しているので、かなり複雑である。
ややこしい事この上ない。

気にはなるが文章の意味がわかればいいか?

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亜科が判ったので、属の分類・・・・

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口器は細長くない。
肘横脈は3本。
肘脈基部は縁紋方向に強く曲がる。
中胸側板の前側片は溝により区分される。
基脈は直線的で、第1反上脈とほぼ並行。
肛室は臀横脈で2分される。
腹部第1背板の後縁は大きく湾入することはない。
(写真の腹部背板も湾入しているが大きく広く湾入してはいない)

以上よりトガリシダハバチThrinax
(過去の文献ではHemitaxonus属として扱われているので注意)

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最後に種の検索。

 

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後翅の肛室には明瞭な柄がある。
頭盾、上唇は黄白色。
腹部は雌雄とも黒色。
顔面の窪み(Median fovea)は四角形に近い。
・・・・・?ここはちょっと判りにくい。
触角は全体黒色。
後基節は先端を除いて広く黒色。

以上の検索キーをたどって ニホントガリシダハバチThrinax japonicaに行き着いた。

概ね合っていると思う。
種の解説でもジュウモンジシダ、イノデを食う。とある。
すぐそばにイノデは生えていた。

でも♂の第8腹板は黄褐色と書いてある。
ここがちょっと違うのが不安。。。

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♂交尾器背面。

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♂交尾器,斜め上から見た図。のpenis valve (点線部)
この形も種によって特徴がある。
「A REVISION OF THE GENUS HEMITAXONUS IN THE OLD WORLD,I(HYMENOPTERA,TENTHREDINIDAE」Kontyu,1971,39(1)
と言う文献でpenis valveの図を見つけたが、
概ね一致しているようだ。

近縁種と比較すれば判りやすいのだと思うが、
手元に無いものは仕方がない。

ツッコミ大歓迎
間違ってたらご指摘お願いします。

ではまた。