ちょっと変わった寄生バチ・・・ヤマトナナフシバチ
この日曜日は前日の土曜日が一日中雨だったのがウソのように好い天気だった。
ヤツデがそろそろ満開で、お腹をすかせたハエアブで賑わっていた。
この時期にしては気温が高かったせいか、
ジョロウグモの巣にはキバラモクメキリガがちらほら捕まっていた。
とことこ歩いていくと、木の杭に小さなハチがとことこ。
普段はコバチの類いは同定不能なので採集しないのだが、
少し変わっていた気がしたので拉致ってきた。
生態写真も撮れば良かったが、コンデジではろくな写真は撮れないだろうし、
写真を撮ると逃げられる、と言うジンクスもあるので早々に採集。
一見アリガタバチ風。
でも脚にトゲが多くて腹節が4節しか見えない。
上から
横から
上から見ると頭は丸いが、横から見ると鼻先(?)が長く、触角が口元から生えている。
図鑑で検索すると、コバチ等ではなく、アリガタバチ上科辺りに行き着いた。
でもアリガタバチ科そのものではない。
「つねきばち」と言う日本蜂類同好会が発行している雑誌があって、
その第6号にセイボウ科の検索があったのを思い出したので見てみると、、、、
ありました。
ヤマトナナフシバチ Cladobethylus japonicus
ナナフシバチ亜科 Amiseginaeに属す。
以前の図鑑類ではセイボウモドキ科Cleptidaeは独立した科であったのが、
最近では、セイボウ亜科Chrysidinae、カブトバチ亜科Loboscelidiinae、
ナナフシバチ亜科Amiseginae、セイボウモドキ亜科Cleptinaeの4亜科で、
セイボウ科Chrysididaeに統合されたようだ。
アリガタバチ科もこれらに近縁で、ひっくるめてアリガタバチ上科Bethyloideaに含まれる。
以下引用
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ナナフシバチ亜科の特徴。
頭頂は著しく突出しない、
肩板は普通の大きさ、
腹部は♂で5節、♀で4節、
腹節腹板は側方から認められる。
触角挿入孔の周縁部は平らか凹み、ふくらまない。
ナナフシバチ亜科はナナフシ類の卵に寄生するそうだ。
ナナフシバチ亜科は日本産4属5種。
ヤマトナナフシバチの特徴。
後頭隆起縁がある。
触角鞭節は第1節を除き短く、各節の長さは幅の2倍以下。
♂♀共に翅がある。翅の縁紋は太く大きい。
頭部の点刻は頭頂部に縦の空白部(平滑な縦走帯)がある。
体色は黒色、頭部に弱い藍青色の光沢がある。
触角柄節は褐色で触角第2節から第5節までは乳白色。
第6節以降は褐色。
ヤマトナナフシバチ頭拡大
黄色の楕円内が点刻のない部分
ヤマトナナフシバチ翅
矢印が縁紋
その他のナナフシバチ亜科の種
ナナフシバチ(ナナフシセイボウ)Nipponosega yamanei
カントウナナフシバチ(カントウナナフシセイボウ)Nipponosega kantoensis
オキナワナナフシバチ Okinawasega eguchii
トゲナナフシバチ Calosega kamiteta
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ナナフシバチで検索するとナナフシバチが卵に産卵する様子があった。スゲー
ではまた