旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

春のいもむしの正体・・・ホソバオビキリガ、、、かな?

いもむし分、追加~

春から永らく蛹だった蛾が、日曜日に羽化してきた。

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ひねたヨトウガみたいな蛾である。
こりゃまた同定のやっかいそうな蛾である。

図鑑をじいいいいっと見て、とりあえず、
Dryobotodes属の仲間だろうとあたりをつけた。

日本産Dryobotodes属は、
ナカオビキリガ、プライヤオビキリガ、ホソバオビキリガの3種。
いずれも模様に変異があって、互いに似通っている。

判りにくいので展翅して、ちょっと乾いてから撮影。

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♂ならば交尾器を見れば確実なのだが、
この子はいかんせん女の子。
結局、開張が32mmと言うことで、
エイヤッとホソバオビキリガに決めた。


幼虫は5月8日にウバメガシで見つけた。
こんなの。まず側面。

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背面。

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ほぼ成熟状態だったようで、与えたウバメガシを
食べていた記憶があまりない。
体長は27mmほど。
これと言った特徴がなさげな、いもむし。
典型的なヨトウムシ体型である。
強いて言うなら気門上に淡く細い黒線が入ること、
背面の刺毛基板が白色であること。くらいか?

まぁ、こんな幼虫から、こんな蛾が出てきました。
という話でした。
属は合っていると思うが、種はちょっと自信がない。
プライヤオビキリガかも知れない。


以下は講談社の蛾類大図鑑や学研の蛾類標準図鑑からの抜粋
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日本産Dryobotodes属3種の解説

ホソバオビキリガDryobotodes anustaangusta 2014.01.24スペルミス修正
開張:30~34mm。触角は♂は毛束状、雌は糸状。
前翅は黒褐色で茶色みを帯びる。
分布:北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国。
年1化。11月~12月に出現し、成虫越冬はしない。
灯火や糖蜜に飛来する。
同属他種と比べて分布が局所的。
主として暖温帯落葉林に分布する種と考えられる。


プライヤオビキリガDryobotodes pryeri
開張:35~39mm。触角は♂は毛束状、雌は糸状。
前翅は全面黒褐色から白紋が現れるものまで変異がある。
分布:北海道、本州、佐渡島、九州、朝鮮半島、中国、ロシア南東部。
年1化。9月~11月に出現し、成虫越冬はしない。
灯火や糖蜜に飛来する。
寄主植物:ヒメヤシャブシ(カバノキ科)、コナラ、カシワ(ブナ科)


ナカオビキリガDryobotodes intermissa
開張:27~31mm。触角は♂は毛束状、雌は糸状。
前翅は褐色で緑みを帯びる。
分布:北海道、本州、佐渡島、四国、九州、対馬奄美大島、沖縄、朝鮮半島
年1化。10月~11月に出現し、成虫越冬はしない。
灯火や糖蜜に飛来する。

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ではまた。

2014.11.13 追記
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この個体の交尾器は以下の記事中に貼りました。↓
ナカオビキリガの幼虫

♀の交尾器の文献を手に入れたので確認したところ、
この蛾はホソバオビキリガで間違いありませんでした。
ヨカッタヨカッタ
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